2017年12月23日(土)
「食の聖地」・築地壊さないで
IOC会長に女将さん会が要請書
東京都築地市場(中央区)の仲卸業者でつくる築地女将さん会(山口タイ会長)は22日までに、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に対して、都が築地市場を解体し2020年東京五輪大会の駐車場にする計画について、「世界でも有名な食の聖地である築地魚市場」を残すために、開催都市の都に市場の破壊と撤去を翻意するよう訓戒を求める要請書を送付しました。
要請書は「築地市場の強引な移転計画は、(移転予定地の)豊洲市場の汚染土壌対策の不備を理由に延期され、とん挫必至の状況です」と紹介。「築地市場は世界に冠たる魚市場であり、日本の食文化を支え、江戸時代からの魚河岸文化の伝統を継承するとともに、海外からのお客さまも毎日、数多く訪れる場所です。オリンピックの機会を通じ、多くの世界中からのお客さまに、真の日本の食文化をご提供するためにも、築地市場の継続運用は必須です」と強調しています。
さらに、都が伝統的文化や都市施設、人々の生活を踏みにじろうとしていることは、オリンピック憲章とその信義にもとる行為だと批判。「築地市場の取り壊しを中止し、東京オリンピックのレガシー(遺産)として活用することこそ、オリンピックムーブメンツのアジェンダ21の精神を浸透させる道」としています。
同会は11月28日に東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長に要請書を提出、「築地市場の関係者が大変迷惑しています」と訴えました。