2017年12月23日(土)
軍事費過去最大5.2兆円
社会保障は1300億円圧縮
来年度予算案 総額97兆7128億円
安倍晋三内閣は22日、2018年度政府予算案と「税制改正」大綱を閣議決定しました。国の基本的な予算規模を示す一般会計の総額は97兆7128億円と17年度当初予算を0・3%(2581億円)上回りました。日本共産党の小池晃書記局長は同日、談話を発表しました。
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憲法9条を焦点に改憲をめざす安倍政権のもとで、軍事費の膨張が鮮明です。一方で、暮らし関連の予算は削減・抑制されています。軍事費は過去最大の5兆1911億円となりました。一方、社会保障予算は概算要求時に6300億円と見込まれた自然増を1300億円圧縮しました。
歳出では軍事費が突出しています。第2次安倍政権発足以来、6年連続の増額で、4年連続で過去最高を更新しています。北朝鮮による弾道ミサイル発射を口実に、陸上配備型迎撃ミサイルシステム(イージス・アショア)配備に向けた調査費などに7億3000万円を盛り込みました。敵基地攻撃能力につながる長距離巡航ミサイルの取得経費で22億円を計上しました。F35Aステルス戦闘機(6機、785億円)など米国製の高額兵器購入も盛り込んでいます。FMS(有償軍事援助)による米国からの兵器調達は4102億円と高水準になっています。
社会保障では生活保護を切り下げます。生活扶助費を18年10月から3年かけて160億円削減します。また診療報酬改定で薬価を見直して社会保障予算の自然増を4997億円に抑制しました。
公共事業費は17年度に比べ26億円の増額でした。増額は6年連続です。「生産性革命」の看板で三大都市圏環状道路等の整備加速に2283億円、国際コンテナ戦略港湾の機能強化に766億円など不要不急の大型プロジェクトが盛り込まれました。
「人づくり革命」発表後最初の予算編成でありながら、教職員定数は2861人の純減です。文教予算は17年度比34億円減の4兆488億円でした。
歳入では税収が17年度を1兆3670億円上回る59兆790億円と見積もりました。新規国債は17年度比6776億円減の33兆6922億円を発行します。
「税制改正」大綱には賃上げなどを口実に、大企業への減税策が盛り込まれました。850万円超の給与収入を得ている人を増税し、フリーランスや個人事業主を減税します。一方、富裕層の所得の多くを占める株式譲渡益や分離課税の配当所得には手を付けていません。
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