2017年12月19日(火)
リニア 大手4社談合か
東京地検 鹿島と清水を捜索
安倍晋三政権が後押しするリニア中央新幹線の関連工事の入札をめぐり大手ゼネコンが談合をしていた疑いが強まったとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は18日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で鹿島建設と清水建設の本社(いずれも東京)を家宅捜索しました。大成建設と大林組(同)も近く捜索し、不正の全容解明を進めます。
巨大プロジェクトを舞台とした入札不正は、「スーパーゼネコン」と呼ばれる国内有数の企業による大型談合事件に発展しました。
特捜部は既に、他社に入札から降りるよう働き掛けたとして大林組を偽計業務妨害容疑で家宅捜索。押収した資料の分析や各社担当者らの事情聴取の結果、他の大手3社も関与した談合が行われたと判断したもようです。
関係者によると、4社の担当者らはJR東海が事業主体となっているリニア中央新幹線の関連工事の入札について事前に話し合うなどし、正当な競争をしなかった疑いが持たれています。
JR東海は2015年8月以降、駅やトンネル、非常口の建設など計22件の工事をゼネコン各社と契約。スーパーゼネコンと呼ばれる大手4社は、それぞれ共同企業体(JV)を組み、大林組が4件、鹿島建設が3件、大成建設が4件、清水建設が4件を受注し、全体の7割を占めています。
これまでの取材に対し、4社の幹部らは談合などの不正への関与を否定。特捜部の任意の事情聴取に対しても、各社の担当者らは同様の説明をしたとみられます。
リニア中央新幹線は東京―名古屋間で27年の開業を予定。総工費約9兆円の一部には、安倍首相が国債を原資にした低利融資を表明し、活用されています。