2017年12月13日(水)
沖縄・名護オスプレイ墜落1年 無数の残骸 今も海に
一変した“生活の場” 変わらぬ米軍機飛行
「とにかく、海を元に戻してほしい。それが私たち区民の総意です」。沖縄県名護市安部の當山真寿美区長は静かに語りました。
昨年12月13日の夜、安部の集落からわずか800メートルの浅瀬に米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが墜落しました。その傷痕は今も癒えていません。(竹下岳、前田泰孝)
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米軍が現場を封鎖
事故直後、米軍は現場を一方的に封鎖し、バラバラになった機体の回収を開始。同月22日に撤収しました。しかし、現場付近には無数のファイバー繊維、鉄、プラスチックなどが放置されていました。
安部区民らは清掃作業に乗り出しましたが、手に負える量ではありませんでした。防衛省沖縄防衛局が3月25、26両日に潜水調査を行ったところ、周辺の海域13カ所で1万5千個を超える残骸が確認されました。
防衛局は区民の要請を受け、回収作業に着手。おおむね3カ月に1回のペースで作業を行っていますが、いまだ完了していません。
新基地強行に憤り
一方、何も変わらないのは米軍機の飛行です。「今はオスプレイも普通に飛んでいますよ」。区長からそう聞いて浅瀬に1時間立っていると、米軍ヘリが4機、通り過ぎました。
「あれ以来、怖くて墜落現場には1回しか行っていない。生活の場なのに」。墜落事故を目撃した池原米子さん(76)は言います。
事故現場は、引き潮の時に歩いて魚介類をとる「イザリ漁」が行われていた場所です。「もし、あそこで自分がイザリ漁をやっていたらと思うと、怖くて震えました」
池原さんは、辺野古新基地を強行する政府に憤ります。「オスプレイだけはいやです。本当に反対です。生活できませんよ。こんな静かなところで、オスプレイが飛び交うなんて」