2017年12月12日(火)
在日米軍経費 過去最高 17年度
3年連続 辺野古・高江警備 1日各1700万円
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2017年度に日本政府が計上した在日米軍関係経費の総額が7897億円に達したことが判明しました。昨年度を255億円上回り、3年連続で過去最高を更新しました(グラフ)。外務省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料をもとに本紙が計算した結果、明らかになったものです。
在日米軍の兵士・軍属(5万1452人、9月現在)1人あたり約1530万円に達します。米国の同盟国で、これだけ突出した財政負担をしている国はありません。マティス国防長官は2月、日本の米軍経費支出は「世界の手本になる」と絶賛しました。
米軍関係経費の高騰は、年間2000億円規模の米軍「思いやり予算」に加え、沖縄県名護市辺野古での新基地建設や米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機移転など、米軍再編経費の拡大が最大の要因です。
安倍政権は4月、辺野古で護岸工事に着手し、沖縄県の許可もない違法工事を強行。岩国では艦載機61機や米兵・軍属・家族3800人移駐に伴うインフラ整備が進んでいます。岩国市内の愛宕山では、1戸あたり約7千万〜8千万円もの家族住宅262戸が建設されました。
また、米軍関係経費には、辺野古新基地や東村高江のヘリパッド(着陸帯)建設に反対する市民を監視・弾圧するための警備費用が含まれています。
防衛省沖縄防衛局によれば、辺野古では14年8月〜今年2月までに陸上・海上で計8件、168億円を契約。期間中の1日あたりの費用は約1780万円にもなります。また、高江でも16年7月20日〜今年10月までの期間で4件、81億円を契約し、1日あたり約1730万円にのぼります。
会計検査院は11月、辺野古海上警備費のうち約1・9億円分が「過大」だと指摘しました。「日米同盟」という大義名分のもとで、不透明な支出がまかりとおっています。
在日米軍関係経費 (1)在日米軍駐留経費(思いやり予算、基地周辺対策費、基地交付金、土地の賃料等)(2)在日米軍再編経費(3)SACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係経費―という構成です(下図)。大半は日米安保条約上、支払い義務がありません。
支出する省庁は、防衛省以外に、基地交付金は総務省、「提供普通財産借上」(土地の賃料)は財務省が支出しています。厚労省の支出もあります。
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