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2017年12月9日(土)

きょうの潮流

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 再来年の4月30日に決まった天皇退位の報道が最近のマスメディアをにぎわしています。国民の関心事とはいえ、早くも平成の時代を振り返る特集など、過熱ぶりが目につきます▼日本のジャーナリズムは死んだ―。昭和天皇が死去した前後、報道に携わる人たちが自戒をこめて口にしました。過剰な大量報道、画一的な中身、無批判な論調の垂れ流し。それは、社会を覆った自粛ムードの引き金になりました▼ごく一部の媒体を除く、メディアの主体性の喪失。そこには戦争責任追及のあいまいさ、“菊タブー”を突き破れない自己規制があった。当時、共同通信の編集主幹からグループ企業に移っていた原寿雄(としお)さんが総括していました▼終戦までの20年、天皇に身をささげる皇国青年として生きた原さん。戦後、自由に人間らしく生きたいと「自分の良心にもっとも正直に生きることのできる職業」というジャーナリストの道を選びました。いかなる権威や権力のしもべにはならないと▼原点は、警察が自作自演で駐在所の爆破事件をでっち上げ、罪を共産党員にかぶせた菅生(すごう)事件。警察組織がかくまっていた犯人の警官を探し出し、逮捕につなげました。権力の恐ろしさとともに、民衆の側に立って権力を監視する重大性を実感したといいます▼亡くなるまで、ジャーナリズムのあり方や表現の自由の大切さを語っていた原さん。その熱いメッセージから学んだ記者は多い。ジャーナリストは自由の消費者ではない、自由の生産者、構築者たれ。


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