2017年12月6日(水)
核保有国に参加促せ
井上議員 政府に条約署名迫る
参院委
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日本共産党の井上哲士議員は5日の参院外交防衛委員会で、日本が国連に提案した核兵器廃絶決議案が核兵器禁止条約に言及せず、核軍縮の国際的到達点から大きく後退したことを受け国際的な批判が広がっていると指摘し、政府が同条約に署名し核保有国の参加を呼びかける立場に立つよう求めました。
井上氏は、「核兵器のあらゆる使用」が壊滅的な人道上の結末をもたらすと明記していた昨年の文言から「あらゆる」が削除されたと指摘し、「核兵器を容認するような解釈を生む」との専門家の共通見解を紹介。決議案で、核不拡散条約(NPT)で核軍縮義務を定めた第6条や2000年の同再検討会議で核兵器国も含め最終合意した「核兵器の完全廃絶への明確な約束」が削除されたことにふれ、「核保有国の意向に沿ったものだ」と迫りました。
河野太郎外相は、「より幅広い国の支持と理解を得るため」の変更で「認識に変わりはない」と弁明しました。
井上氏は、決議案にオーストリアやブラジル、南アフリカなどが「嘆かわしい後退」などと表明し昨年の賛成から棄権に転じたことなど「各国が異例の厳しい批判で日本に軌道修正を促した」と強調。核兵器国の意向に沿った決議案の変更は、核兵器廃絶を永遠に先送りすることになると批判しました。