2017年12月6日(水)
核兵器禁止条約を歓迎 国連総会で決議
賛成125カ国 日本は反対
【ワシントン=池田晋】国連総会は4日の本会議で、人類史上初めて核兵器の使用や威嚇などを違法化した、7月の核兵器禁止条約の採択を歓迎する一連の決議案を賛成多数で採択しました。総会決議に禁止条約の採択が明記されるのは初めて。全加盟国に条約への早期署名・批准を求めたオーストリア主導の決議案「多国間核軍縮交渉の前進」は賛成125、反対39、棄権14の結果となりました。
122カ国の賛成多数で採択に至った7月の条約交渉会議の時点から賛成国が3カ国増え、引き続き国連加盟国のほぼ3分の2にあたる国が支持しました。
日本政府は昨年に続き、核保有国と歩調をそろえてこの決議案に反対しました。
ブラジル主導の「核兵器のない南半球および隣接地域」は、禁止条約採択を「歓迎する」とし、149カ国が賛成。メキシコ主導の「核兵器のない世界へ―核軍縮の約束実施の加速化」は、採択の歓迎に加え、法的拘束力のあるさらなる核軍縮措置を特定する取り組みに各国の支持を求め、137カ国が賛成しました。
日本主導決議 賛成11票減る
日本主導の核廃絶決議案は、禁止条約への言及がないことや、表現が例年より大幅に後退したことから、賛成156、反対4、棄権24で、昨年から賛成が11票減り、棄権が8票増えました。
米英仏などの核保有国の多くが賛成する一方、禁止条約の推進国が棄権票を投じました。