2017年12月5日(火)
主張
F35B嘉手納配備
類のない爆音被害拡大許すな
米海兵隊が最新鋭のステルス戦闘機F35Bを沖縄県の米空軍嘉手納基地(嘉手納町、北谷町、沖縄市)に最大で26機配備する計画を持っていることが分かりました。計画では、F35Bは嘉手納基地を拠点にして沖縄の海兵隊基地や周辺空域で訓練することも明記しています。現在、嘉手納基地には空軍用のF35A12機が暫定配備されており、深刻な騒音被害が発生しています。嘉手納基地へのF35B配備計画は、沖縄の過重な基地負担をますますひどくするものであり、許されません。
最大で26機を常時配備
米軍が開発・配備を進めるF35には、航空自衛隊も導入を進めている空軍用のF35Aや、垂直離着陸ができる海兵隊用のF35Bなどがあります。嘉手納基地へのF35Bの配備計画は、沖縄の海兵隊基地に関する内部文書「統合自然資源・文化資源管理計画」の中に記されていました。文書は、太平洋地域にある海兵隊基地を運営する米太平洋海兵隊基地司令部が2014年4月に作成しました。
それによると、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)や嘉手納基地に配備・展開している海兵隊の戦闘攻撃機FA18や垂直離着陸攻撃機AV8Bを17米会計年度(16年10月〜17年9月)からF35Bに交代させるとしています。実際、岩国基地に配備されていたFA18とAV8Bは今年すでにF35Bと交代しました。
さらにこうした交代に伴い、海兵隊が最大26機のF35Bを嘉手納基地に常時配備することになるとしています。これは、岩国基地からの展開だけでなく、米本国から6カ月単位で海外へ部隊を派遣する海兵隊の計画に基づくもので、早ければ来年から開始されるとも報じられています。
米空軍の戦闘機F15などが常駐する嘉手納基地には現在、米本国から12機のF35Aが11月から6カ月の予定で展開しています。米空軍の部隊を海外に配備し、即応態勢を強化する計画に基づくものです。この計画によって嘉手納基地ではすでに所属機以外の「外来機」の飛来が常態化しています。
嘉手納基地を抱える3自治体の首長がF35Aの展開について政府に提出した抗議文は、「これまでに類を見ない程の耐え難い爆音」がまき散らされ、同基地での離着陸回数は昨年度に比べ1カ月当たりおよそ2000回増え、2倍になっていると告発しています。最大26機にも上るF35Bの配備が爆音被害を一層悪化させることは明らかです。
加えて重大なのは、嘉手納基地に配備されるF35Bは、沖縄を取り囲む軍事空域を飛行し、伊江島補助飛行場(沖縄県伊江村)で訓練し、普天間基地(同県宜野湾市)でも運用され、その他の海兵隊基地も使用するとしていることです。爆音被害や墜落など事故の危険の増大は嘉手納基地周辺にとどまりません。
基地強化の反対で連帯を
すでにF35Bの配備を想定し、▽嘉手納基地での格納庫や駐機場の整備▽伊江島補助飛行場の離着陸訓練場の拡張▽普天間基地に代わる名護市辺野古の新基地建設予定地を含む米海兵隊キャンプ・シュワブなどの訓練場の空域拡大―が推進・計画されています。
異常な米軍基地の強化を許さない沖縄と全国のたたかいをさらに発展させていく必要があります。