2017年12月5日(火)
豊洲入札不調 随意契約も
「制度改革」に小池都知事逆行
東京都築地市場(中央区)の移転先としている豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)の土壌汚染対策の追加工事の入札不調が相次いでいる問題で、都は競争入札をやめ、大手ゼネコンとの特命随意契約に切り替えることを検討していることが4日、分かりました。小池百合子知事が今年度から導入した入札制度改革に逆行する内容で、知事の姿勢が厳しく問われています。
都が特命随意契約を検討している理由は、2018年7月末までの追加工事完了と、10月中旬に予定している移転スケジュールに間に合わない可能性が生じているためです。
都は10月から11月にかけて追加工事9件の入札を実施しましたが、7件の応札額が予定価格(落札価格の上限)を上回り入札不調となりました。都は不調となった7件のうち、4件は大手ゼネコンなどからヒアリングを行い、予定価格を上乗せして15日までに再入札を行う予定。それでも不調となった場合は、特定業者との特命随意契約に切り替えることを検討中です。
その場合、透明性が低くなり、工事契約額もゼネコン側の要求をのまされ高くなる可能性が生じます。
小池知事は16年8月、豊洲新市場の開場計画(同年11月)の延期を決定。その際に、土壌汚染への懸念や、新市場建設費の高騰などを疑問視し、今年度から予定価格の事前公表をやめ、1者入札を禁止する入札制度改革を導入。しかし、追加対策工事の相次ぐ入札不調で、予定価格を事前公表し、1者入札も認めていました。
豊洲新市場では、日本共産党都議団の調査で、主要施設の下で土壌汚染対策の盛り土がなく、地下空間が造られていたことが発覚。ところが、都は地下空間の床にコンクリートを敷設するなど追加対策工事を行い、来年10月に移転を強行する構えです。