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2017年11月28日(火)

主張

予算委「森友」論戦

「真摯に」いうなら招致応じよ

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 大阪府豊中市の国有地が、財務省近畿財務局によって大阪の学校法人「森友学園」へただ同然の価格で払い下げられた疑惑をめぐって、会計検査院が先週末値引きの「根拠が確認できない」との報告書を公表してから初の衆議院予算委員会の審議が始まりました。安倍晋三首相は会計検査院の指摘は「真摯(しんし)に受け止めなければならない」と答え、財務省の太田充理財局長は学園側と近畿財務局の交渉を記録した音声データの存在を初めて認めました。疑惑は深まるばかりです。「真摯に」というなら疑惑のカギを握る首相の妻、昭恵氏らの喚問を認めるべきです。

「実質ゼロ」で逆算濃厚に

 28日の審議では日本共産党の宮本岳志議員が、29、30両日の参院予算委では30日に日本共産党の小池晃、辰巳孝太郎両議員が質問に立つ予定です。「森友学園」の疑惑、首相の「腹心の友」が理事長を務める岡山の学校法人「加計学園」の獣医学部開設に便宜が図られたのではないのかなどの疑惑について、文字通り「真摯に」解明を尽くすことが不可欠です。

 政府から独立して税金の使い道を調査する会計検査院が、国会の求めに応じて、値引きの「根拠が確認できない」という報告書を公表したのは重大です。

 「森友学園」に払い下げられた国有地は、当初10年以内に買い取るという契約で貸し出され、敷地からゴミが見つかったというので1億円以上の撤去費が支払われました。しかもその後新たなゴミが出たというので9億円を超える鑑定価格から8億円以上が値引きされ、当初の撤去費と相殺すればほとんどただ同然で「森友学園」に払い下げられたのです。

 会計検査院の報告は当初のゴミ撤去費についても疑問を指摘しましたが、鑑定価格からの8億円の値引きについては新たに発見されたというゴミの量についての試算が根拠に乏しいとのべ、値引きの「根拠を確認できない」と判断したのです。

 これまで財務省は「森友学園」との交渉経過を書類は廃棄したなどの理由で明らかにしてきませんでしたが、今回太田理財局長が売買契約が結ばれる前の「森友学園」と財務局の音声データの存在をようやく認め、学園側の当時の理事長だった籠池泰典被告(補助金の詐欺罪などで起訴)に対し、「実質ゼロに近い金額まで努力している」と約束したことを明らかにしました。これまで近畿財務局や土地を所有する大阪航空局は最大地下9・9メートルまでゴミが埋まっていると試算したなどとしてきましたが、ゴミの存在そのものが架空で、「実質ゼロ」になるよう値引き価格を逆算した可能性はいよいよ濃くなります。

カギを握る昭恵氏喚問を

 太田局長は「鑑定価格が出る前に価格を提示したわけではない」としていますが、不合理な値引きに疑惑は深まる一方です。ゴミ撤去費の補償から売却に切り替わった経過を籠池前理事長は「神風が吹いた」と表現し、当時開設予定の小学校の名誉校長だった昭恵氏は、同氏付きの政府職員を通じ、財務省高官に交渉について問い合わせています。

 安倍首相が「真摯に」「丁寧に」というなら、昭恵氏を含む関係者の国会喚問を拒む理由はありません。疑惑解明のため、国会喚問に自ら応えるべきです。


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