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2017年11月27日(月)

京都・丹後半島 膨らむ「ミサイル防衛」基地

住民「ここが最も危険」

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 「山陰ジオパーク」と呼ばれ、変化に富んだ美しい景観が広がる京都府・丹後半島。海岸沿いの国道を走ると、突如、不気味なレーダー群が姿を現しました。京都府北端の経ケ(きょうが)岬から約1キロ。北朝鮮をにらむ日米の「ミサイル防衛」基地群です。(竹下岳)


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(写真)米軍経ケ岬通信所。国道をはさんだ向かい側の斜面には墓地が広がる=23日、京都府京丹後市

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 国道から向かって右側に、1000キロ先まで探知できるという「Xバンドレーダー」が置かれる米軍基地が、左側には航空自衛隊の通信基地が並びます。

 両基地の間には、歴史ある寺院―清涼山九品寺(せいりょうざんくほんじ)の本堂がたたずんでいました。「両側を基地にはさまれた寺院は、全国でもここだけでしょう」。地元で毎日、基地の監視を続ける「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の永井友昭事務局長は説明し、植民地のような実態を告発します。

 第2次安倍政権発足後、初めて行われた日米首脳会談(2013年2月)で、日本側は車力(しゃりき)(青森県つがる市)に次ぐ米軍Xバンドレーダーの追加配備を約束。防衛省が民有地を強引に収用して14年末に完成しました。

 現在は、ハワイに拠点を置く米陸軍第94防空ミサイル防衛軍の傘下・第14ミサイル防衛中隊が運用する通信基地となっています。米兵は10人程度ですが、武装した民間警備員50人が24時間警備し、軍需産業の技術者約40人が勤務します。

 空自も隣接する田畑を収用して基地を拡張しました。北朝鮮の核・ミサイル開発と並行して、京都の日米レーダー基地は膨張を続けています。

 防衛省はさらに、米軍基地拡張の2期工事に着手します。これにより、提供を拒否した住民の土地に設けられた「平和菜園」への進入路がなくなり、基地内に「飛び地」が存在する形となりました。防衛省は今後、約3000万円をかけて、海岸側に通路を建設するといいます。

 「防衛省はXバンドレーダーについて『日本の防衛に役立つ』と説明しますが、情報が日米で共有されているのか、まったくわかりません」と永井さんは指摘します。

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(写真)提供を拒否した住民の土地。「平和菜園」として作物が植えられているが、進入路が新たに提供されるため、基地内に孤立して「飛び地」に=23日、京都府京丹後市

 「それどころか、北朝鮮との緊張を高め、真っ先に標的になりかねない。住民の間では、ここが最も危険、万が一のため防空壕(ごう)や核シェルターがほしいと、冗談か本気かわからないような声も飛び交っています」

 北朝鮮の核・ミサイル開発を理由とした「ミサイル防衛」網。丹後半島にとどまらず、安倍政権の下で、さらなる拡大が狙われています。


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