2017年11月26日(日)
知って!語って! 日本共産党のページ
若手が丸ごと語る党の姿
日本共産党はいま、綱領、歴史、理念をまるごと理解してもらう活動に力を注いでいます。総選挙で小選挙区候補として奮闘した福島5区の熊谷智(くまがい・とも)さん、東京3区の香西克介(こうざい・かつすけ)さんは、党名や北朝鮮をめぐる問題、天皇制、自衛隊など、相手の関心にかみあって語り合い、党への疑問、誤解を解きほぐす活動を、「集い」、ブログ・ツイッターなどで日常的にすすめています。
“秘密の道具”でなんでも遠慮なく
福島 熊谷智さん(38)
総選挙で衆院福島5区候補を務めた熊谷智さん=党県常任委員=は、2月から選挙までに31回「集い」に参加し、日本共産党の政策や魅力を語って支持を訴えてきました。選挙後「集い」を再開し、「今度は党をまるごと知ってもらおう」と力を注ぎます。
19日に神谷(かべや)支部と勿来町(なこそまち)支部=ともに、いわき市=が開いた「集い」にはどちらも、「赤旗」読者や支持者を含め10人を超える人たちが参加し、そのなかで3人が入党しました。
「天皇制に反対かと」
「質問しづらいことでも遠慮なく聞いていただけるように“秘密の道具”を持ってきました」。事前に手書きで作った「自衛隊と共産党」「野党共闘のこれからは」「ソ連や中国は仲間? 北朝鮮は?」「共産党は天皇陛下がきらいなの?」など、「赤旗」読者や支持者からもよく出される質問を書き出したカードをお茶やお菓子の載ったテーブルに広げ、参加者に選んでもらいます。早速「天皇のことを聞きたい」と質問が出ました。
熊谷さんは「いまの天皇は、『戦争を二度と繰り返してはいけない』とたびたび語っていて、好感をもっています」と個人の感想を交えつつ、「共産党は、2004年の綱領改定で現行憲法のすべての条項を厳格に守ると明記しました。『国政に関する権能を有しない』と規定されている天皇条項もその中に入っています。特定の個人が世襲で国民統合の象徴になるというのは、人間の平等と両立しないと考えますが、未来永劫(えいごう)続けるかどうかは、将来、国民が決めることです」と紹介。参加者から「天皇制に反対していると思っていました」と驚きの声があがりました。
そのあとも、参加者が選んだ「ソ連や中国は仲間? 北朝鮮は?」「野党共闘のこれからは」などの質問に、自分の体験も交えながら、一つひとつに、丁寧に答えた熊谷さん。天皇制について質問した男性は「共産党は私たちの思いに寄り添い、考えてくれる政党だとはっきりわかりました」と語り、その場で日本共産党に入党すると表明しました。
この日の「集い」で2人を党に迎えた勿来町支部の杵渕利之支部長は、「次の選挙で捲土(けんど)重来を期すための新しい力を得ました」と喜びます。
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反応分かり楽しくなる
熊谷さんは「日本共産党は、どんな問題にも答えられる綱領を持っています。納得してくれたか、どこにひっかかっているか、相手の反応がビシビシと伝わってくる『集い』は、楽しくて仕方ないです」と話します。
選挙前に開いた「集い」では「介護士として医療現場で働いてきて、国保料や介護料を支払えずサービスが使えない、治療が続けられない人がいる現実を見てきました。この政治を変えたい」と最初に立候補の思いを語りました。これをきっかけに、参加者の多くも病気や生活不安など切実な思いを持っていることが出されて、「政治を変えよう」との思いが広がりました。
熊谷さんが活動した党いわき・双葉地区委員会では、大会後「集い」などを通じて28人が入党しています。
選挙中は、地元の自民党の人に呼ばれて話したことも。
選挙を通じて、新たに共産党への支持と共感を持ってくれている人たちが広がっています。こうした経験も支部に紹介して、「集い」に誘う人たちの枠を思い切って広げ、新しい結びつきの人たちとの「集い」をたくさん開いていきたいと意気込んでいます。(秋山強志)
“ジャイアン”ブログで 党名の意味・未来社会も
東京・品川 香西克介さん(41)
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「日本共産党綱領の展望と理想を、受け身ではなく日々積極的に伝えることです。『誤解なんです』と言い訳するのではない。『攻撃されたから反論する』というのではない。私たちが目指す未来社会がすばらしいものだから語るんです」
東京都の日本共産党品川地区委員長・香西克介さんは、自身のブログで「日本共産党」という名前の意味や未来社会論などについて語り、SNSのツイッターで拡散して話題になっています。ブログのタイトルは「『共産党のジャイアン』ブログ」。香西さんが「ドラえもん」のキャラクター「ジャイアン」に似ていることからこのタイトルにしました。
総選挙では東京3区候補として奮闘。地域でも「共産党のジャイアン」と評判です。
ロマン込め党名を貫く
「『日本共産党』という党名について」の投稿では、「党名を変えるべき」という声に、「みなさんの善意のご意見に感謝を申し上げます。おおむね『中国や北朝鮮、旧ソ連をイメージしてしまう。実体は違うのだから…』ということですよね」と述べ、「どうして私たちがこの名前にこだわるのか」と、いくつかの問題を語っています。
「まず、私たちが95年間この名前を名乗ってきたという事実についてです。(略)同じ名前のお隣さんが、悪い人だったとして『あなたもその仲間だと思われるから名前をかえなさいよ』といわれても、やはり釈然としない。その悪い人たちが名前をかえるならわかるけど、なぜとばっちりを受けている私たちが?というのが私の正直な気持ちです」
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そして、「共産主義(あるいは社会主義)…これは私たちの描く未来社会の呼称です」として、マルクス、エンゲルスが自由と民主主義を誰よりも探求し、共産主義にも引き継いで開花させようと考えていたことを紹介。マルクスがアメリカのリンカーン大統領の再選に祝辞を寄せ、リンカーンもマルクスにお礼の返書を送ったことを、返書の画像も示して説明しています。
「『どうして共産党が民主主義をめざすの?』と何人かの方から質問を受けますが、聞くたびに、(スターリン以降の)旧ソ連の巨悪を思います。あんな自由を抑圧する社会をめざすというなら、私自身が日本共産党をやめますよ」と旧ソ連と日本共産党との違いを明らかにし、中国の核兵器への対応や領海における力による現状変更の動きも批判しました。
続いて、戦前に日本共産党が自由と民主主義のために命をかけてたたかったことを紹介。「発達した資本主義の国のなかで、本来の共産主義を展望している共産党の一員であることに誇りを感じています」「党名をかえるということは、こうした目標やロマンを捨ててしまうことになります」と語っています。
ブログやツイッターには次つぎ感想が。「私のフォロワーさんに情報共有しましたら、さっそく反響がありました。本当に分かりやすくて素晴らしい内容です」などの声が寄せられました。質問を投げかける人も多いですが、嫌がらせは少なく、「もっと知りたい」という気持ちが伝わります。電車の移動時間を使って返信しています。
ツイッターフォロー増
香西さんに問題意識を聞きました。
「なぜ共産党なのか。共産党の良さは何か。そこを語りたい。もちろん、『集い』にも大いにとりくみますが、『集い』に来ないような人、声がかからない人たちに、私たちの本当の姿を届けたい」
自衛隊や天皇制、私有財産など多彩なテーマをブログにつづる中で「共産党のジャイアン」の名が広がり、ツイッターのフォロワーは選挙を通じて一気に1200人増えました。11月にはツイッターつながりの支持者十数人が集まり、「香西克介ファンクラブ」を結成。多くは40〜50代の人たちです。「今回の香西さんのポスターの写真はダメね。次はみんなの人気投票で決めよう」「ファンクラブの会員証や缶バッジを作ろう」など、意見を交流しています。(富山 健)