2017年11月20日(月)
違法核攻撃命令に従わず
米戦略軍司令官が意向 別の選択肢を提示
【ワシントン=池田晋】ハイテン米戦略軍司令官は18日、カナダ東部ハリファクスで開かれた国際安全保障フォーラムで、トランプ米大統領が核攻撃を命令しても、自分が違法と判断すれば従わず、別の選択肢を大統領に提示する考えを示しました。米CBSテレビが伝えました。
米国内では議会を含め、トランプ氏が北朝鮮と核戦争を始めるのではないかとの危機感が高まっています。ハイテン氏の発言はこうした懸念を払しょくする狙いがあるとみられます。
戦略軍司令官は、核戦力を指揮・運用する制服組トップの要職。14日に上院で開かれた大統領の核使用権限をめぐる公聴会では、ケーラー元戦略軍司令官が出席し、ハイテン氏と同様、違法な大統領命令は「拒否する義務がある」と証言していました。
ハイテン氏はこの証言に同意するとし、「もし違法であれば、どうなると思うか。私は『大統領、それは違法だ』と言う」と発言。大統領が「では何が合法か」と問い返してくれば、どのような状況であれ、それに応える別の選択肢を考え出すことができると強調しました。
ただハイテン氏は、何が「違法な命令」かは明言しませんでした。ケーラー氏は公聴会で、核攻撃にも国際人道法上の原理を適用して正否を判断すべきとの考えを示しました。ただ国際社会では核兵器使用そのものを人道法に反するとの認識が大勢です。