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2017年11月15日(水)

「加計」問題 問われる「国家の私物化」

首相の疑惑解明を

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 学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる疑惑の核心とは何か。それは同学園理事長の親友である安倍晋三首相の「ご意向」により、加計学園ありきで、公平公正であるべき行政がゆがめられたのではないか、ということにつきます。いわば安倍首相による「国家の私物化」疑惑です。

 林芳正文部科学相は同学園の獣医学部新設認可を公表した14日の会見で「行政の手続きに瑕疵(かし)はなかった」と強調しました。

 しかし新設が認められるまでの経過を振り返ると、異例尽くしであることがよくわかります。

 ―首相補佐官が文部科学省の事務方トップである事務次官を官邸に呼び出し、新設推進を求めた。

 ―文科省の担当者が、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」と記した内部文書を作成し、上司に報告せざるを得ないほど強い圧力を受けた。

 ―文科省が禁じている獣医学部新設を、規制緩和の「特例」で解禁した。

 ―安倍内閣が新設の要件として閣議決定した「4条件」に、適合しているかどうか検証せず認可した。

 新設申請を審査した大学設置・学校法人審議会の専門委員会でも、是正意見が相次ぎ、異例の第3次審査までもつれ込みました。最後まで認可すべきではないという意見が出るなど、最低基準を無理やり満たしての「合格」でした。

 本来、文科省は告示で獣医学部新設を禁じています。文科省関係者は「獣医師は国家資格でもあり、需給が崩れて質が落ちることは好ましくないからだ」といいます。

 新しい獣医学部が本当に必要というならば、この告示を変えればいいだけです。その必要性を農水省、文科省、内閣府のいずれも根拠を示すことができませんでした。だからこそ、特別扱いを重ねて獣医学部新設を可能にしたのです。行政の公平性を取り戻すためにも、林文科相は認可を取り消すべきです。

 行政府の長である首相の疑惑を究明するのは、国権の最高機関である国会の責任でもあります。審議時間をしっかりとって、関係者を証人喚問するなど徹底的に疑惑を解明することが求められています。(三浦誠)


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