2017年11月15日(水)
化石燃料・原発推進 米政府会見に若者ら抗議
「環境に悪影響及ぼす」
COP23inボン
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【ボン(ドイツ西部)=岡本あゆ】COP23(国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議)で13日、米政府が化石燃料と原子力の推進を主張する会見を開きました。プレスルームの内外で100人以上の若者らが抗議を繰り広げました。
会見は、ホワイトハウスやエネルギー企業関係者らの主導で開催。定員200人のプレスルームは開場後すぐに満員になり、入りきれなかった人たちが部屋の前にあふれました。
会見が始まって間もなく、環境団体の若者らが席から立ち上がり、歌を合唱。15分以上にわたり、会見が停止しました。
若者らが退出し半分以上が空席となったプレスルームで、トランプ政権のジョージ・バンクス特別エネルギー補佐官は「(いまだに多くの石炭が使われているという)世界のエネルギーシステムの現実をみるべき」と発言。石炭関連企業、ピーボディー・エナジーのホリー・クルツカ副社長は「高効率の石炭を含む化石燃料は、パリ協定の目標達成には欠かせない」と主張しました。
COP23に参加する米NGOのネットワーク、USピープルズ・デリゲーションのタヌ・ヤクピティヤゲさんは「“クリーンな化石燃料”などというのはペテンです」と指摘。「最も高効率な石炭でも環境に悪影響を及ぼすことは明らかになっています」と語りました。
パリ協定離脱を表明した米政府は、今回のCOPに代表団を派遣していますが、例年行ってきたパビリオンの設置は取りやめています。
代わってパリ協定に賛同する米国内の州や企業が米パビリオンを設置、脱・化石燃料を訴えてきました。政府側の会見はこれに真っ向から対立した形です。
ワシントン州のジェイ・インスレー知事はNGOの取材に対し、「(政府の会見に)耳を貸す人は誰もいない」と回答しました。