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2017年11月14日(火)

バチカン最高幹部ら署名

「ヒバクシャ署名」 和田氏の訴え受け

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 【バチカン市=伊藤寿庸】ローマ法王庁が10、11日に開いた「核兵器のない世界と統合的軍縮への展望」では、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の和田征子事務局次長の呼び掛けにこたえ、法王庁の最高幹部やノーベル平和賞受賞者などが「ヒバクシャ国際署名」に応じました。

 会議を主催した法王庁「人間開発のための部署」のタークソン長官(枢機卿)は、閉会後に署名。枢機卿はローマ法王の側近で、新法王を選ぶ際の投票権を持つカトリック教会の最高幹部です。

 1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷禁止国際キャンペーンのジョディ・ウィリアムズ氏は「一緒に核兵器を廃絶しよう」とのコメントとともに署名。北アイルランド問題の平和解決への貢献で同賞を受賞したマイレッド・コリガン・マグワイア氏は、和田氏に「平和と軍縮のために素晴らしい証言をありがとう」と署名用紙にしたためました。

 カナダのダグラス・ローチ元上院議員・軍縮大使、インゲボルグ・ブレイネス国際平和ビューロー(IPB)元共同会長(ノルウェー)らも署名に応じました。

 インドのジョシュア・マール・イグナチオス司教は「核兵器は偽りの権威とカネのためのものだ。なんとしても廃絶しなければならない。キャンペーンの成功を祈る」とメッセージを寄せました。

核兵器は人間の尊厳奪う

バチカン国際会議 和田氏が実相証言

証言後に参加者が総立ち

写真

(写真)バチカン主催の国際会議「核兵器のない世界と統合的軍縮への展望」で証言した後、聴衆からスタンディングオベーションを受ける被爆者の和田征子さん(左から2人目)=11日(伊藤寿庸撮影)

 【バチカン市=伊藤寿庸】ローマ法王庁主催の国際会議「核兵器のない世界と統合的軍縮への展望」で11日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の和田征子事務局次長が被爆の実相について英語で証言し、核保有国と日本など同盟国へ核兵器禁止条約に加入するよう働きかける必要があると訴えました。

 1歳10カ月で長崎の爆心地から2・9キロの自宅で被爆した和田氏は、幼かったため当時の記憶はありませんが、母から聞かされた当時の様子を静かな口調で証言しました。

 爆心地から山を越えてきたアリのような被爆者の行列、着衣もほとんどなく、髪の毛も血で固まった人たち、隣の空き地で毎日続いた遺体の火葬―。「人間の尊厳とは何か。人はそのように扱われるためにつくられたのではない」と述べました。

 和田氏は、核兵器禁止条約が前文で「核兵器の使用の被害者(ヒバクシャ)の受け入れがたい苦しみ」に心を寄せていることに言及。原爆が「理由もわからず瞬時に命を奪」い、生き残った者に、愛する者の死、生き残った罪悪感、原因不明の病気、生活苦、偏見や差別、あきらめた多くの夢など「深く、今なお続く」苦しみを与えたと語りました。

 和田氏は「核兵器が再び使われれば、同じ苦しみを世界中が負うことになる」と警告。日本被団協が1956年以来、「自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意」で歩み続けてきたことに触れ、「核兵器は正義ではない。廃絶しなければならない」と訴えました。

 和田氏が話し終わると、参加者は総立ちになって大きな拍手を送りました。閉会後も和田氏に感謝を伝え、あいさつをしようと行列ができました。


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