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2017年11月14日(火)

主張

オスプレイ事故率

「安全」のごまかし通用しない

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 米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの事故率が9月末時点で3・27と海兵隊機全体の平均を上回っていることが明らかになり、大きな問題になっています。事故率は、10万飛行時間当たりの重大事故(クラスA)の発生件数です。政府は、2012年10月にオスプレイが米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備された際、事故率は1・93で海兵隊機全体の平均を下回っていると「安全性」を強調していました。今回判明した事故率はその約1・7倍にも上ります。政府の説明は根本から覆っており、配備を正当化してきた誤りを認めるべきです。

事故相次ぐ普天間所属機

 「クラスA」事故とは、死者が出たり、被害総額が200万ドル以上になったりする事故です。オスプレイの事故率3・27は本紙が米海兵隊に取材し、初めて判明しました(今月5日付)。その後、防衛省も確認し、公表しました。

 政府はオスプレイの事故率について、開発試験段階での相次ぐ墜落事故を受けて停止していたオスプレイの飛行を再開した03年10月を起点にして、12年4月の時点で1・93と、海兵隊機全体の2・45を下回る「安全記録」を持っていると宣伝していました。それ以降、各年の9月末時点の事故率は、12年1・65、13年2・61、14年2・12、15年2・64、16年2・62と推移してきました。

 しかし、オスプレイはこの1年で3件の墜落事故を起こし、17年9月末時点での事故率は普天間基地配備以来、過去最悪の3・27と、海兵隊機全体の平均2・72を上回りました。

 3件は、▽普天間基地所属のオスプレイが16年12月、沖縄県名護市安部の浅瀬に墜落し、2人負傷▽17年8月、同じく普天間基地所属のオスプレイがオーストラリア沖で墜落し、3人が死亡▽同年9月、過激組織IS掃討作戦の支援任務に就いていたオスプレイがシリアで墜落し、2人負傷―というものです。事故率を引き上げた原因である墜落事故のうち2件が普天間基地の所属機によるものというのは極めて異常です。

 普天間基地所属のオスプレイはこの他にも、米海兵隊伊江島補助飛行場、奄美、大分、新石垣の各民間空港への緊急着陸などのトラブルを相次いで起こしています。

 小野寺五典防衛相は記者会見(今月10日)で、オスプレイの事故率増加について「安全保障環境が大変厳しい中、かなり米側も訓練の頻度を上げているのではないか」と述べました。しかし、海兵隊機全体の平均事故率が微増なのに対して、オスプレイが突出して増えている説明にはなりません。この点をただされた小野寺氏は「私が運航者ではないので、疑念があるのであれば米側に確認していただくことになる」と米軍任せです。あまりにも無責任です。

全く説得力ない政府説明

 一般に航空機の事故率は開発直後に高く、改良を重ねることで次第に低下し、老朽化に伴って再び上昇するとされます。こうした傾向に反し、オスプレイの事故率が大きく増加しているのは「欠陥機」の証しではないのか。「機体の構造上の問題ではない」との米側の主張をうのみにする政府の説明に説得力は全くありません。沖縄県民はじめ国民の命と安全を脅かすオスプレイは撤去すべきです。


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