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2017年11月4日(土)

セクハラ被害「私も」

米欧揺るがす勇気の告発

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 米国で、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏によるセクハラが告発されたことをきっかけに、セクハラ被害を公にしようという動きが起きています。それを受けて英国でも、男性政治家による女性国会職員に対するセクハラの常態化に社会が注目。1日にはファロン国防相がセクハラの責任を取って辞任しました。

 (ワシントン=遠藤誠二、ベルリン=伊藤寿庸)


米 ハリウッド発端

 「Me too」(私も被害にあった)を合言葉・ハッシュタグ(投稿検索の目印)に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)での発信など、セクハラを告発する動きが全米で沸き起こっています。

 ワインスタイン氏のセクハラ問題は、10月5日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたのが最初。女優のアシュレイ・ジャッドさんが過去に被害を受けたと告発しました。その後、グウィネス・パルトロウさん、アンジェリーナ・ジョリーさんらが次々と被害を公表。名乗りをあげる被害者は増えています。

 女優のアリッサ・ミラノさんがツイッターで、「もしセクハラや暴力を受けたら『Me too』とこのツイートに返事して」と投稿したところ、大反響を呼びました。

 米国の著名人によるセクハラはこれまでも、コメディアンのビル・コスビー氏やFOXニュースの故ロジャー・エイルズ元CEO(経営最高責任者)、キャスターのビル・オライリー氏など多数、明らかになっています。ブッシュ元大統領(父親)も過去の行為を告発され、謝罪しました。

英 国防相が辞任

 セクハラに対する米国での批判の広がりを受けて英国でも、政治家による女性スタッフへのセクハラが問題となっています。そうした中、メイ首相に近いとされる重要閣僚のファロン国防相が1日、辞任しました。同氏は2002年にラジオ番組に出演した際女性司会者の膝を触ったことを暴露され、批判されていました。

 首相に提出した辞表で同氏は「過去に私が、軍に求められる高い基準より低い行動をとったことを認める」と述べました。

 同日には、グリーン筆頭国務相に対する疑惑も浮上。15年にセクハラを受けたとする女性記者が、英紙タイムズに、事実を明らかにする記事を掲載しました。グリーン氏はこれを否定しています。

 英国会では、秘書やリサーチャーなどの女性職員が、ソーシャルメディアを通じて、加害者の情報を共有していると報じられています。

 メイ首相は先週、「望まれない性的行動は全く受け入れられない」として、被害者に名乗り出るよう呼び掛けていました。

 労働党のコービン党首も10月28日、「ゆがんだ、尊厳をおとしめる文化が、ウェストミンスター(国会)を含む政界で横行している」と批判。労働党内からもセクハラの告発が出ており、議員1人が資格停止処分を受けています。


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