2017年11月3日(金)
大浦湾地質データ示せ
辺野古新基地の活断層で講義
監視テント村
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新基地建設予定海域とV字形滑走路下の断層が活断層かどうかは政府がデータを示せばわかる―。本紙(9月24日付)などの報道で県民の強い関心をよんでいる、新基地建設(沖縄県名護市辺野古)の予定海域と陸上部のV字形滑走路下に走る活断層の可能性についての講義が2日、キャンプ・シュワブゲート前の新基地建設の違法工事に抗議・監視するテント村で行われました。
講義したのは加藤祐三琉球大学名誉教授(物理学)で、新基地建設の違法工事に抗議している県民や県外からの支援者ら250人が“聴講”しました。
加藤名誉教授は本紙に掲載された新基地予定海域の海底地形図と地質断面図をかかげて、「断層とは何か」との基礎知識から説き起こしました。
辺野古と大浦湾の海底に延長された谷や斜面を示す等深線の海底地形図、陸上部のV字形滑走路下を走る二つの断層が、防衛庁(当時)が作成した海底断面図に「断層によると考えられる落ち込み」部分と重なりあっていると指摘。落ち込んだ部分の地質、琉球石灰岩、嘉陽層が切れ込んでいることをあげ「活断層の可能性が考えられる」と判断した経過を分かりやすく説明しました。
加藤名誉教授は、活断層とした場合に、そこを震源域とする地震、津波による被害を指摘したうえで「今の段階では活断層の可能性としか言えない。それを確定するのは、大浦湾で沖縄防衛局が最新の調査船などによる詳細なボーリング調査、音波探査の地質の生データを国民に開示させることだ」と力説しました。
“聴講”した那覇市の女性(72)は「私たちはどうしても不安な感情が強い。でも科学的にくわしく教えていただきとっても心強い。国はデータを公表すべきです」と納得の表情。