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2017年10月30日(月)

F35A 初の米国外作戦展開

危険増す嘉手納基地

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 米太平洋空軍(ハワイ)は、嘉手納基地(沖縄県)に最新鋭のステルス戦闘機F35AライトニングII12機を11月初めから6カ月間展開させると23日に発表しました。「インド・アジア太平洋地域への最初の作戦展開」と位置づけた、同機の嘉手納基地展開は、最新鋭戦闘機の飛来にとどまらない、同基地を米空軍の攻撃作戦の拠点としている危険な実態を浮き彫りにしています。(佐藤つよし)


写真

(写真)嘉手納基地展開のニュースで米空軍が公表した第34戦闘飛行隊(ユタ州)所属のF35A戦闘機

 今回のF35Aの展開は、米太平洋空軍が、米本土などから、嘉手納、韓国、グアムに実戦可能段階の部隊を展開させて即応態勢をとる「戦域安全保障パッケージ(TSP)」の一環として実施されます。

 グアムへのB52、B1B、B2戦略爆撃機を常時展開させる「継続爆撃機駐留(CBP)」、米本土、アラスカ、ハワイ配備のステルス戦闘機F22ラプターを72時間以内に緊急投入する「ラピッド・ラプター(RR)」と合わせた、米太平洋空軍の即応態勢の3本柱です。

07年から沖縄に

 TSPとCBPは2003年から、グアムへの戦略爆撃機とF22の配備で始まりました。嘉手納基地への最初のTSPの配備は07年2月の12機のF22展開から始まり、現在まで途切れなく続いています。

 F22は高額のため軍事費削減の対象となり調達が打ち切られました。代わって15年以降は、イラク・アフガニスタン戦争でも対地攻撃・地上部隊の進撃支援などで実績のあるF16戦闘機を州兵などから派遣してきました。

 F35Aは、F16戦闘機やA10攻撃機の代替として対地攻撃を主要な任務とする戦闘機です。嘉手納基地に展開する第34戦闘飛行隊(ユタ州)は、F16から機種変更し15年7月に最初にF35Aを配備した飛行隊です。

ごまかしの裏で

 日本政府は07年2月から始まったTSPによる米本土などからの戦闘機の展開を「暫定配備」と偽り、地元自治体や住民に説明してきました。実際には、米空軍は「F22の最初の海外への作戦展開」で米太平洋軍のTSPを支援するものだと米空軍のニュースでも明らかにしてきました。

 米空軍大学発行の『航空・宇宙戦力ジャーナル』15年1―2月号で太平洋空軍参謀で作戦・戦力投入担当副部長のデビッド・ウイリアムソン中佐(当時)は、TSPについて米太平洋軍の責任地域(インド・アジア太平洋)に、日常的に戦闘機部隊を充足するために計画されたと説明。これらの部隊が「潜在的敵対者の貪欲・挑発的な行動への迅速な対応能力を強化」し「太平洋戦域に部隊を移動するために必要な兵站(へいたん)物資と時間を削減する」と強調しました。

 朝鮮半島情勢の緊迫化を背景に、2015年11月の「ビジラント・エース16」では嘉手納基地のF15戦闘機や三沢基地(青森県)のF16戦闘機が、韓国で演習に参加。16年2月にはアラスカから横田基地(東京都)を経由し、嘉手納基地へ展開したF22戦闘機14機のうち4機が韓国で、在韓米空軍、韓国空軍の戦闘機と訓練を実施しました。

 F35Aの展開は、嘉手納基地を朝鮮半島有事に即応する米空軍の戦力投入の一大拠点化し、沖縄をはじめ、日本国土を米軍の出撃基地とする米軍の戦略を示すものとなっています。


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