2017年10月27日(金)
混迷 深める「希望」
小池代表辞任要求も
「“第2自民”なら解散を」の声
総選挙で敗北した希望の党が混迷を深めています。希望に合流を決めている民進党(参院)内でも今後の方針について紛糾が続き、無所属当選議員らが新会派を立ち上げるなど、野党の配置をめぐり動きが続いています。(佐藤高志)
25日の希望の党の両院議員懇談会では、安保法制=戦争法や改憲への態度を踏み絵に、一部の民進党議員の「排除」宣言をしたことについて、小池百合子代表(東京都知事)が「多くの方を傷つけてしまった」と謝罪。「国政については、国政選挙で選ばれた方が話し合って決めていただきたい」「私は都知事として都政にまい進したい」と国会議員に一任する姿勢を表明しました。
ただ、国会議員の中から小池氏に代わるリーダーは決まらず、首相指名候補や党執行部人事は未定。小池氏は「創業者としての責任がある」と代表にとどまる意向を表明したものの、「(国会議員は)希望の党として活動できるような態勢を自ら見いだしてもらいたい」と国政から距離を置く姿勢を鮮明にしました。
こうしたなか、民進党から希望の党に合流したメンバーから、小池氏の代表辞任を求める声が公然と上がっています。懇談会では、民進党出身の議員から「憲法9条改正をすべきではないとはっきり党としていうべき。有権者にうそつき呼ばわりされている」「野党で共闘して首相指名も考えるべき」などの声も上がりました。また小池氏に近い人物を比例で厚遇する対応に厳しい不満、批判が噴出し、“小池私党”という姿が改めて浮きぼりになっています。
柚木道義議員は懇談会後、記者団に「(希望の党が)第2自民党になるのであれば、この場で解散してくださいと発言した」と主張。安保法制についても「違憲立法は、私自身は明確に反対だ」と強調しました。
一方、24日に開かれた民進党の参院議員総会では、希望への合流を決めた前原誠司代表への不満が続出。議員からは「(合流を前原)代表に一任したことは絶対的に失敗だった」「党がなくなるなか、苦渋の選択で(総選挙を)たたかった人間がいる。あいまいにしてはいけない」との声が上がっています。
民進党は27日に両院議員総会を開き、今後の方針を協議する予定。25日には岡田克也氏を代表者に衆院会派「無所属の会」も結成され、野党の構図が大きく変化しています。