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2017年10月21日(土)

ネット番組 「小池さんになんでも聞いてみよう」

魅力・値打ち・心意気 縦横に共産党語る

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 日本共産党の小池晃書記局長は19日夜、インターネット番組「小池さんになんでも聞いてみよう #共産党が本気で答えます」に出演し、インターネットのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上に寄せられた多彩な質問に縦横に答えました。寄せられた質問は野党共闘の意義にはじまり、日本共産党の政策や共産主義、共産党の議席の値打ちなど。小池氏は、一つ一つの質問に丁寧に答え、最後に、「今度の選挙は、比例は共産党をよろしく」と訴えました。同番組は1万人以上が同時視聴しました。

写真

(写真)「なんでも聞いてみよう」に答える小池晃書記局長

Q 市民と野党の共闘のために共産党が身を引いた見返りは。  

A 見返りは民主主義

 小池 見返りは民主主義です。市民と野党の候補者を一本化するため全国67の選挙区で候補者を降ろすということをやったんですけど、選挙活動には一定の制約が生まれています。しかし、野党が力をあわせて自公を倒してほしい、という思いに応えようとやったことは、多くの市民から熱烈に歓迎されています。

 安倍政権を倒す、民主主義をこの国に取り戻す、政治を国民の手に取り戻す。これが見返りだと思っています。

 選挙戦を通じて、本当に感動的なきずなが、いろんなところで生まれているんですね。これだけ野党共闘に努力したのだから、無党派の方も「比例は共産党」と。ものすごく友人が増え、未来につながるような選挙戦になっていると思います。

 今度の野党共闘は、単なる政党の組み合わせとか、政党にとって得か損かという話ではない。安保法制のとき以来の「いうことを聞かせる番だ、おれたちが」という市民の声に応えることだと思います。

Q 共産党にアレルギーがあります。思い切って党名を変えたらどうですか。    

A 歴史と理想込めた

 小池 共産党にとっての党名というのは、単に名前以上のものがあります。

 まず95年間ぶれずに頑張ってきたという重みを背負った名前だということです。

 この名前のもとで反戦平和のために命までささげた先輩がたくさんいて、たとえば作家の小林多喜二さんは特高警察に虐殺されました。そういう歴史がこめられた、重みを背負った名前を変えることはなかなかできません。

 もう一つは、共産党の名前には、僕らが考える理想が込められているということです。僕らは、人類の歴史は資本主義でおしまいになるのではなく、本当に自由で平等な世界に、資本主義からもう一歩先に、進歩できると考えています。それを共産党という名前に込めています。

 共産党の名前を変えることは、僕らがそのロマンや目標を捨てるということになります。

 「名前で損をしているよ」と善意でおっしゃる方がいらっしゃいます。そういう方には、共産党がやっていることを一つ一つ理解していただければ、疑問は解けていくと考えています。

Q 共産党がめざす共産主義って何ですか。自由を抑圧する社会というイメージがあります。

A 搾取も抑圧もない

 小池 あなたのまわりで、共産党で活動している人たちを見てください。自由を抑圧される社会になったら、最も激しくたたかおうとする人たちばかりでしょう。

 社会主義や共産主義の社会というと、旧ソ連や中国をイメージされるのだと思いますが、旧ソ連は社会主義でもなんでもなく、人民抑圧の社会でした。今の中国も、対外的にやっていることを見ると、南シナ海で基地を造ったり、核兵器廃絶の世界の動きに背を向けたり、社会主義国でこんなことがあっていいのかと思えるほどです。

 僕らの目指す社会はそうではありません。

 人々が政治的にも経済的にも抑圧されない社会をつくっていきたいというのが僕らの理想です。そういう国は、この地上にはまだなく、どこかほかにモデルの国があるわけではありません。日本のように発達した資本主義国から次の段階に進もうとするのは、人類の歴史上まだありません。僕らがやろうとしていることが、人類最初の挑戦になるんだと思います。

 今度の選挙で社会主義の国にしようといっているわけではありません。まともな資本主義、ヨーロッパのようにきちんと働く人の権利を守る、そういう当たり前のルールがある社会にしていこうというのが、今の僕らの目標です。

Q いろいろ議席予想が出ていますが、共産党の議席の値打ちを教えてください。

A 共闘を引っ張る力

 小池 前回(2014年)の総選挙で議席が増えて、たくさんの成果がありました。

 まず議案提案権です。議員が21人いないと衆院では法案が出せません。参議院では11人です。前回、8議席から21議席に躍進させていただいた最大の成果は議案提案権です。

 日本共産党は、ブラック企業規制法案を提出しました。この法案は成立はしていませんが、この間、厚生労働省もいろいろ動き始めました。先日、ブラック企業の企業名公表をやり、電通やヤマト運輸など大企業の名前も出てきました。

 国会も変わりました。予算委員会の質問時間も、それまでの2倍になった。これが国会論戦を変えました。また、すべての常任委員会に共産党の議員が所属できるようになりました。今まで委員のいなかった衆議院の法務委員会でも、共謀罪の追及もできるようになりました。

 野党第2党になり、これが野党共闘を進める上でも大きな力となりました。共産党が2番目にいるということで、共闘の方向に引っ張る力は、これまで以上に働いたと考えています。

Q 消費税10%中止、消費税に頼らない財源をわかりやすく教えてください。

A 税負担の不公平正す

 小池 安倍首相が狙う消費税率10%への増税は5兆円分になります。じゃあ10%への増税をやめて5兆円はどうするか、僕らは具体的にお示ししています。

 一つは所得税に不公平があります。普通、累進課税で所得が多くなるほど所得税の税率が高くなるんだけど、日本の所得税は年収1億円を超えると逆に負担率が下がる。年収1億円を超えるような人というのは、株の収入や配当、株式の譲渡で収入の大半を得ています。そういう所得には、がくっと税率が下がる。これを公平に累進課税でとると、1兆円の財源ができます。

 もう一つは法人税にも不公平があって、中小企業と大企業の法人税の負担を比べると、中小企業は利益の19%の法人税を払っていますが、大企業は12%なんですよ。いろんな優遇制度が大企業にはあるからです。せめて中小企業と同じように法人税を払ってもらえば、4兆円の財源ができます。

 この二つをやるだけで、消費税10%増税分の5兆円の財源ができるのです。

Q 北朝鮮問題の解決「共産党が直接北朝鮮に行って対話してきたら」との声に、どう答えますか。

A 政府は平和的解決を

 小池 かつて北朝鮮の朝鮮労働党がラングーン事件などの重大な問題を起こしたときに、日本共産党はこの党と大論争をして、激しい攻撃をしかけられたことがあります。それ以来、党と党との関係は断絶状態にあります。

 やはり政府として、きちんと北朝鮮政府に核・ミサイル開発の放棄を求め、拉致問題の解決もはかっていかないといけないと思います。かつて小泉政権のときは、北朝鮮との対話に踏み切りました。安倍政権も対話の方向に、ぜひ進んでいくべきです。

 国連総会で安倍晋三首相は、必要なのは対話でなく圧力だと演説し、対話を否定しました。また、軍事力行使も先制攻撃も含む、「すべての選択肢をもつというアメリカの立場を支持する」といいました。これはあまりにも危険だと思っています。

 日本共産党は、北朝鮮の核・ミサイル開発を断じて許さないと強く非難するとともに、北朝鮮問題の解決に向けて、日本政府が「対話による平和的解決」を図るイニシアチブを発揮することを求めています。

Q 共産党は自衛隊を憲法違反と言っていますが、政権をとったらどうなるのでしょう。    

A 政府としては合憲

 小池 憲法9条は戦力を持たない、武力の行使も威嚇もしないとしているわけですから、自衛隊は憲法と相いれません。日本共産党は、これからも一貫して自衛隊は違憲であるという立場をとります。

 同時に、僕らがいまつくろうとしている野党連合政権は、安保法制を強行する前に戻し、立憲主義を取り戻すことが目的です。当然、自衛隊はその政府の憲法解釈では合憲となります。もしも共産党がこの政府の大臣になれば、大臣としては合憲という立場をとることになります。自衛隊は違憲だといったとたん、自衛隊の予算すらつけられなくなってしまいますから。

 そして、将来的に国民の圧倒的多数が「自衛隊がなくても大丈夫」という合意ができたときに、政府としてははじめて自衛隊を違憲と判断し、解消する措置をとることになります。ですから、現状を考えたら、政府の憲法解釈の変更は、これから先の課題になっていくと思います。

Q 最低賃金の引き上げなどで、外資系会社が国外へ行くのでは

A 賃上げで消費活性化

 小池 最低賃金を上げても外資系はあまり関係ないと思います。最賃ギリギリで働かせているのは外資系よりむしろ、中小企業とかアルバイトが多いですよね。居酒屋チェーンとかですね。ですから、中小企業への思い切った支援とセットで引き上げます。

 経済産業省が大企業に「なぜ海外に進出したんですか」と調査しました。一番多い答えは「需要があるから」。要するに海外で物が売れるから出ていくわけです。法人税を下げて、消費税を上げて、消費が落ち込んだら、それこそ需要がなくなるわけで、消費税増税は経済的に見ても、まったく逆効果だと思います。

 僕は、最賃引き上げは日本の経済にとってすごく効果的だと思います。日本の労働者で時給1000円未満の人は2割います。だから、最賃を時給1000円にするだけで2割の労働者が賃上げになるんですね。それが全部消費に回るわけです。商店街の活性化にもなるわけで、経済波及効果がでかい。

 最賃を時給1000円、そして1500円にすることで消費を活性化していく。それこそボトムアップで経済を立て直していく一番有効な経済政策ではないかと思っているので、今度の選挙でもこれは訴えています。

Q 学費半額などを教育の政策として挙げていますが、具体的には。           

A 10年かけて半額に

 小池 僕らは、大学の学費を10年かけて半額にしようと提案しています。そのために毎年1100億円を投入していきたい。

 政府の方が、国立大学の運営費交付金を毎年削っていく案を出したから、それだったら逆に増やしていこうと、僕らは提案しました。

 政府は返済不要の給付奨学金をようやく始めますが、対象はわずか2万人でしょ。これをせめて、今奨学金を受けている人の半分(70万人)くらいから始めようと提起しています。それから奨学金返済の利子を免除する。この二つをただちに、現在返済中の人にもやる。これはだいたいアメリカ軍への思いやり予算分くらいでできます。だから政権を取ったらすぐにでもやれると思っています。


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