2017年10月21日(土)
主張
総選挙あす投票
歴史の岐路、暴走阻む審判を
大激戦の総選挙は、あすが投票日です。安倍晋三政権の5年間の暴走政治を問う大争点がますます鮮明になるもとで、「安倍首相をもう辞めさせてほしい」「憲法9条を壊してはいけない」との声が相次いでいます。また政党の選択をめぐって有権者の真剣な模索が続く中での選挙戦の最終盤となっています。憲法を破壊し、民意を踏みつけにし、国政を私物化する安倍政権を退場に追い込む審判を下すために、市民と野党の共闘の勝利、ぶれずに共闘を進める日本共産党の躍進を実現することがいよいよ必要となっています。
「改憲翼賛」の党を許さず
国民の大きな怒りを集めた「森友疑惑」「加計疑惑」、消費税の大増税、立地県を中心に住民が反対している原発再稼働、自衛隊を明記する改憲―。いずれも国政上の大問題だというのに、安倍首相が街頭演説で言及しないのは、最終盤も変わりません。総選挙に踏み切っておきながら、国民の知りたいことについて説明しようとしない姿勢は、民主主義の基本をわきまえないもので政権を担う資格そのものが厳しく問われます。
安倍首相が語らない問題の中で、とりわけ重大なのは改憲についてです。今度の総選挙で、自民党は政権公約の柱の一つに「憲法改正を目指します」と打ち出しました。しかも改憲4項目を示し、その真っ先に「自衛隊の明記」を挙げました。自民党はもともと改憲を党の綱領に掲げる政党ですが、公然と選挙の重点公約に掲げたのは結党以来初めてです。今年5月の憲法記念日に安倍首相が改憲派の集会へ寄せたメッセージなどで「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」改憲を2020年に施行したいと表明したのを受けたものです。今度の総選挙は、首相のあからさまな改憲表明後、最初の国政選挙です。その選挙の遊説だというのに、自らがもちだした改憲に触れない首相の態度は無責任極まりないものです。
希望の党や日本維新の会も9条を含む改憲を公約し、自民党の補完勢力としての本質が誰の目にも明らかになるもとで、国会を「改憲翼賛」にしないための有権者の審判が、今度の選挙ほど重要になっている時はありません。
見過ごせないのは、マスメディアの世論調査で「自民堅調」との情勢が報じられると、自民党内から、改憲議論を加速させるとか、次の国会に党の改憲案を示すとかの声が次々と上がっていることです。選挙の間は、沈黙してやり過ごし、終わったら長年の野望である改憲を一気に加速させる―。こんな安倍首相の卑劣なやり方を絶対に通用させてはなりません。
日本国憲法施行70年に行われる歴史的な総選挙で、「9条壊すな、憲法生かせ」の声をはっきり突き付けようではありませんか。
共闘の力で追い詰めよう
改憲勢力に最も大きな痛打となるのは、安倍暴走政治と正面からたたかう市民と野党の共闘の勝利、共闘をどんな困難な中でも揺るがず追求する日本共産党の躍進です。この選挙でも市民と野党の本気の共闘の力は、自公を追い詰めつつあります。日本共産党のぶれない姿勢には期待が寄せられています。戦後日本の歩みと憲法にとって岐路ともいえる選挙最終盤、共闘の勝利と日本共産党の躍進にさらに力をお貸しください。