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2017年10月18日(水)

社会保障「全世代型」と言うが…

老若男女に負担増・給付減

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 安倍政権は、社会保障制度を「高齢者中心から全世代型へ」転換すると訴えています。現役世代の不安解消が口実ですが、これまでも、これからも、進めているのは全世代への負担増・給付減です。(松田大地)


図

計約6兆5千億円

 政権復帰後の5年間で社会保障はズタズタにされました。医療費負担・介護サービス利用料の値上げや、「軽度者」向けサービスの介護保険給付外し、年金改悪、生活保護費の削減(表)を強行し、国民が受けた負担増・給付減は計6兆5千億円に達します。

 首相が言う“社会保障は高齢者中心だ”とはごまかし。高齢者にも現役世代にも冷たい政治を続けています。

 今後も、医療では病床削減計画の推進、年金では受給開始年齢(現行65歳)の67歳、70歳以上への引き上げなどが狙われています。

全世代の名で“分断”

 「全世代型」の社会保障だと言って、政府・自民党は、幼稚園・保育所・高等教育の「無償化」や保育の「受け皿」拡大を打ち出し、支持を集めようとしています。(表)

 しかし、高校授業料の無償化に所得制限をかけて後退させたのが安倍政権です。今回も所得制限で対象者を限定しようとしています。日本の教育への公的支出(国内総生産=GDPに占める割合)はOECD(経済協力開発機構)34カ国中、最下位です。にもかかわらず、安倍政権は教育予算を5年前より600億円も削りました。大学の学費は世界有数の高さのままです。

 保育所の待機児童は2万6千人(2017年4月時点)を超えているにもかかわらず、安倍首相が約束した「待機児ゼロ」は20年度末まで3年間も目標達成を先送り。拡大すると言う「受け皿」は基準緩和・詰め込み型を推進しています。

 政府の新政策は子育て・教育の抜本対策とはなっていません。高齢者と現役世代に分断を持ち込み、社会保障をズタズタにしてきた抑制路線を“全世代型”の看板で国民に押し付けるのが狙いです。

消費税増税とセット

 しかも、「無償化」といっても、19年10月予定の10%への消費税増税とセットです。これまでも安倍政権は、消費税増税分は社会保障にまわすと言いながら社会保障切り捨てを進めてきました。

税の集め方・使い方を改革

 国民の不安を解消するには、低所得者により重い消費税増税は中止し、大企業・富裕層に応分の負担を求める「税の集め方」の改革と、社会保障・子育て・教育を優先する「税の使い方」の改革こそが必要です。日本共産党は、これらの改革で幼児教育・保育の無償化など社会保障を真に拡充し、格差と貧困を是正していきます。

 こうした優遇税制に手をつけず、財源を消費税に頼る安倍政権では、増税と社会保障切り捨てに拍車をかけるだけです。


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