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2017年10月18日(水)

安倍政権ご自慢 求人倍率上昇のウラ

ブラック企業横行が一因

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 安倍晋三政権が自慢する有効求人倍率の上昇の裏には、過酷な労働実態があります。有効求人倍率が高い職業では、働き方が過酷なため離職する人が多く、人手を確保できないという悪循環が起き、有効求人倍率を押し上げているのです。(増田哲明)


図

 悪循環が顕著に表れているのが飲食サービス業です。8月の臨時・季節雇用を除いた有効求人倍率は1・35倍です。職業別にみると「飲食物調理の職業」と「接客・給仕の職業」は3・23倍と3・92倍。全体を大きく上回っています。飲食サービス業の2016年の離職率は全産業で最も高い30%です。

労働争議も

 劣悪な労働環境を背景に労働争議も起きています。首都圏青年ユニオンはこの1年間、「監獄レストラン ザ・ロックアップ」や「ひもの屋」など、レストランや居酒屋、ファストフード店で劣悪な労働環境の解決を求めてきました。

 飲食サービス業で多いのは、着替えなどの作業準備時間が労働時間に含まれない、時給が1分単位で払われないなど、賃金未払いの争議です。

 現在係争中の東京都内の飲食店では、残業代の未払いと長時間労働が問題に。会社側は、決められた残業代が時給に含まれ、それ以上の残業代は支払われない「みなし残業時間制」だと主張。労働時間は、長い月には週5日で200時間を超えました。労働者が残業代の未払い分を請求すると、勤務日を減らすなどの嫌がらせを受けるようになりました。この職場ではこれまでも、意見を言った労働者が嫌がらせを受けて退職に追い込まれることがあったといいます。

 首都圏青年ユニオンの山田真吾事務局長によると、こうした実態は珍しくなく、解決を求めるより「辞めたほうがいい」と、あきらめる人が少なくないといいます。そのため、離職率が高まり、求人数も増えていると考えられます。ブラック企業の横行が有効求人倍率上昇の一因となっています。

健康害して

 劣悪な労働環境は労働者の健康を危険にさらしています。厚生労働省がまとめた2017年版「過労死等防止対策白書」によると、過重な業務負荷による脳・心臓疾患の労災支給決定件数が最も多いのは、自動車運転従事者の89件。同職の有効求人倍率は2・75倍です。労災支給決定件数の高い飲食物調理従事者(14件)の有効求人倍率は3・23倍と高くなっています。商品販売従事者(13件)でも有効求人倍率は2・29倍となっています。

 業務の心理的負荷による精神障害の労災支給決定件数が最も多いのは、保育士や介護職を含む「社会保険・社会福祉・介護事業」で46件です。有効求人倍率は介護サービスで3・63倍、保育士など「社会福祉の専門的職業」で2・64倍です。

 有効求人倍率を上昇させているのは過酷な労働実態です。日本経済の悲鳴ともいえます。

8時間働けば普通に暮らせる社会の実現を

 日本共産党は「8時間働けばふつうにくらせる社会」の実現を目指しています。総選挙の公約で、離職者数や過去の労働法違反の経歴など労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開させることを掲げています。


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