2017年10月15日(日)
炎上米軍ヘリ 放射性物質を使用
ストロンチウム90 米側資料に明記
沖縄県東村高江の民間牧草地で炎上・大破した米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属のCH53Eヘリコプターに放射性物質「ストロンチウム90」が使用されていることが14日までに、複数の米側資料から判明しました。
ストロンチウム90はカルシウムと似た性質を持ち、体内に摂取されると骨に取り込まれ、長く残留して放射線を出し続けるため、骨がんなどを引き起こす可能性があります。半減期は29年です。
2004年8月に沖縄国際大で墜落したCH53Dにストロンチウム90が使用されており、沖縄県は後継機のCH53Eにも使用され、環境に影響をおよぼしているおそれがあるとして調査に着手しています。
米海軍航空システム司令部(NAVAIR)の公表資料によれば、CH53Eと、同機の海軍使用機であるMH53Eヘリには、回転翼の亀裂・劣化をパイロットに警告する「機内ブレード検査システム(IBIS)」と呼ばれる装置が6枚の羽根にそれぞれ取り付けられ、容器に入ったストロンチウム90が1個ずつ使用されています。
米原子力委員会(NRC)の公表資料によれば、IBISの放射能量は1個あたり500マイクロキュリー(約1850万ベクレル)です。
さらに、米海兵隊は、沖縄を拠点とする第31海兵遠征隊(31MEU)に所属するCH53Eが13年4月の米韓合同演習で墜落した際、機体にストロンチウム90が使用されていたことを公表。「焼失したので人体に影響はない」としていました。
沖縄国際大での墜落の際、米軍はストロンチウム90が入った5個の容器を発見。1個が未回収で、「機体の燃焼で気化した可能性が高い」(在日米大使館)としていました。
今回、ヘリが墜落した牧草地を所有する西銘晃さん(64)は「現場で消火活動が終わってから米側から放射能の話が出てきて、急いで立ち退きさせられた。役場の職員も一緒にいたので、体に変化があったら報告しようと話している。調査・情報公開を徹底してほしい」と話します。