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2017年10月14日(土)

日本の国連決議案、文言後退

核禁止条約に触れず

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 【ニューヨーク=池田晋】日本政府が1994年以来毎年の国連総会に提出している核兵器廃絶を求める決議案に、核兵器禁止条約への言及が一切ないことが、12日までに分かりました。これまで核保有国に核廃絶を求めていた文言も後退。NGO関係者によると、禁止条約に賛成する国から日本の姿勢に懸念の声が上がっています。

 本紙が入手した決議案によると、昨年までの決議にあった「核兵器のない平和で安全な世界を達成する決意」という文言が「核兵器のない平和で安全な世界に向けた決意」に変更。「核兵器の完全廃絶を達成する」という表現も削除され、「核不拡散条約(NPT)を完全に履行する」との文言に変更、不拡散を強調するトランプ米政権に歩調を合わせています。

 核兵器禁止条約に全く触れない一方で、新たに「核なき世界の実現に向けてさまざまなアプローチがあることを念頭に置く」との表現を追加。同条約以外に「アプローチ」はあると示唆するもので、同条約に加わらない日本政府の立場を正当化する狙いがあるとみられます。

 禁止条約採択の原動力となった「あらゆる核兵器使用の破局的な人道的結末」を懸念するとの表現から「あらゆる」を削除し、表現を弱めています。

 一方、北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射については「前例のない重大で差し迫った脅威」などと記述を増やして強調しています。


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