2017年10月13日(金)
国連総会第1委討論 核保有国に軍縮迫る
発射態勢の核兵器削減を
【ニューヨーク=池田晋】国連本部で開かれている第72回国連総会の第1委員会(軍縮・国際安全保障)は11日、テーマ別討論の一環として核軍縮に関する議論を開始しました。
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核兵器禁止条約への対応をめぐり核保有国と非保有国の対立が深まる中、各国からは2020年のNPT(核不拡散条約)再検討会議の成功が重要との認識が相次いで示され、NPTが核保有国に求める具体的な軍縮措置を迫る声が出されました。
チリ、ニュージーランドなど禁止条約に賛成する6カ国を代表して発言したスウェーデンは、いつでも発射できる状態にある核兵器数の削減を求める決議が昨年の国連総会で175カ国もの賛同を得たことをあげ、「取り組みを新たにする必要があるとの明確なメッセージだ」と指摘。発射態勢を段階的にとくことは、技術的な失敗や誤解による発射の危険性を減らすものだと強調しました。
非同盟運動を代表して発言したインドネシアは、核保有国が核兵器近代化や新型核弾頭の研究を検討するなど、核軍縮の義務不履行の「散々たる状態を深く懸念する」と批判。禁止条約の採択を受け、2018年に予定される軍縮会議の場で核兵器に関する包括的な条約の交渉開始を求めました。
禁止条約賛成国と反対国の双方の非保有12カ国(日本も参加)で構成される軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)は、核兵器の数や運用状態、軍縮策に関する透明性の向上が必要だと訴えました。