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2017年10月13日(金)

原発 問われる再稼働への態度

2017総選挙論戦の焦点

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 原子力規制委員会が、福島第1原発事故を起こした東京電力に対し、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)を動かす適格性を容認したもとで、原発政策は総選挙の大きな争点になっています。問われているのは、民意を踏みつけにして原発を再稼働させる安倍政権の暴走にストップをかけるのかどうかです。総選挙公約で自民、公明、維新、希望の党はいずれも再稼働を容認。日本共産党は「再稼働せずに原発ゼロにすすみます」と再稼働そのものに反対しています。「自民とその補完勢力」対「市民と野党の共闘」の対決構図が鮮明です。


図

自民 推進

公・維・希 容認

 自民党は衆院選公約で、原子力規制委員会の基準に適合すれば「原発の再稼働を進めます」と明記し、再稼働に反対する国民多数の願いを無視。「原発に依存しない社会・原発ゼロをめざす」という公明党、「脱原発依存体制の構築」を掲げる日本維新の会は再稼働容認です。「原発ゼロの2030年までの実現をめざす」とうたう希望の党も「原発の再稼働を認める」と明記。「原発ゼロ」をめざすのなら、再稼働は必要ありません。

 これに対し、日本共産党は「再稼働せずに原発ゼロにすすみます」と提案。また日本共産党と社会民主党、立憲民主党の野党3党が市民連合と合意した項目には「福島第1原発事故の検証のないままの原発再稼働は認めない」としています。

安倍政権 輸出・老朽原発延長

 安倍政権は「エネルギー基本計画」(14年に閣議決定)で、原発を「ベースロード電源」と位置づけ、再稼働と原発の輸出を推進。同計画に基づき30年度の発電電力量の20〜22%を原発で賄う方針を15年に決定し、これを達成するために30基台の再稼働が必要だとしています。

 これまで九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)など3原発5基が再稼働。規制委が再稼働の前提となる審査書案を了承したのは柏崎刈羽原発を含め7原発14基(図)。九州電力は玄海3、4号機(佐賀県)の来年1、3月の再稼働を、関西電力も大飯原発3、4号機(福井県)の同時期の再稼働をねらっています。また、より危険な、運転40年を超えた老朽原発3基(関西電力美浜3号機、同高浜1、2号機=いずれも福井県)も規制委が最大20年の延長を容認しており、対策工事を数年かけた後、再稼働させようとしています。

再稼働は必要ない

 再稼働は必要ありません。2年近く「稼働原発ゼロ」(2013年9月〜15年8月)になり、日本社会は原発なしでもやっていけることが証明されています。

 しかも、再稼働すれば、計算上わずか6年で、すべての原発の使用済み核燃料の貯蔵プールが満杯になります。再稼働は、処分の見通しもない「核のゴミ」を増やし、問題を深刻化させるだけです。

 再稼働を容認するため、事故時の住民の避難計画を審査の対象にすらしない規制委の新規制基準を「世界最高レベル」(自民党の公約)などと持ち上げて、新たな「安全神話」をふりまいているのは無責任です。

写真

(写真)東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)

東電に運転の資格なし

 事故を起こした当事者、東電に柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を許すのかどうかも焦点です。

 規制委は東電に、柏崎刈羽原発を運転する適格性(資格)があると結論づけました。しかし、福島第1原発事故の収束、賠償、廃炉の見通しが立たず、事故の責任を果たしていない東電にその資格がないことは明白です。

 福島第1原発で、水位計の設定ミスも資格が問われる新たな事態が浮上しました。汚染水が建屋外に漏れ出す恐れのあることが明らかになったのです。5月に8回起きた可能性があり、原因は水位計の設定ミス。東電は半年余り気づかないままでした。8月にも汚染水漏れにつながる地下水の低下があったのに故障と判断し、公表遅れが判明しています。

 安全に対する姿勢のずさんさが浮き彫りになり、地元などで東電への不信が広がっています。

 事故の被災者約3800人が国と東電に損害賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、福島地裁は10日、国と東電の責任を認めました。同種の訴訟で国と東電を断罪したのは、3月の前橋地裁判決に続く2件目です。

 事故前は「事故は起きない」と安全神話をふりまき原発を推進し、事故が起きたら「想定外」と主張してきた国の責任が問われています。事故を繰り返さないためには、なにより再稼働せずに原発ゼロに進むことです。

日本共産党 再生エネ先進国めざす

 日本共産党は重点政策で「原発の再稼働反対。原発ゼロの日本、再生可能エネルギー先進国をめざします」を掲げ、「『原発ゼロ』の政治決断を行い、原発の再稼働を中止し、すべての原発で廃炉のプロセスに入ります」と提案。事故から6年7カ月たっても福島の深刻な状況が続くなか、再稼働や原発輸出のために、事故を「終わったこと」にする政治を許さないと主張しています。

 再生可能エネルギー普及の最大の障害は「原発固執政治」だと指摘。2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーでまかなうことを目標に、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギー大幅導入の計画を立てて、実行していくとしています。

図

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