2017年10月13日(金)
ヘリ炎上 民家まで300メートル
沖縄・高江 翁長知事“これこそ国難”
地位協定の壁も
沖縄県東村高江の牧草地で、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属のCH53E大型ヘリが炎上した事故から一夜明けた12日、機体はまっ黒に焼け焦げ、原形をとどめない無残な姿をさらしました。
防衛省沖縄防衛局は、事故現場は民家から約300メートルの至近距離であることを明らかにしました。
翁長雄志知事は同日、現場視察し、記者団に「日常の世界が一転してこういう恐ろしい状況になるということに違和感がある。悲しい、悔しい、そして怒りだ」と述べ、「沖縄県にとって国難とは、こういった状況だ」と語りました。
また、米軍憲兵隊などの立ち会いで事故現場を視察した同村の伊集盛久村長は「機体の3分の1ぐらいが燃えて崩壊していた」と語り、飛行ルートの変更と原因究明まで飛行訓練を避けるよう求めるとしました。
県はCH53に放射性物質が使用されている可能性があるとして、土壌の採取を要請していますが、米軍は現時点で立ち入りを拒否。現場には依然、沖縄県警の規制線が張られ、牧草地の所有者も自由に行き来できない状況が続いています。
公務中の事件・事故の第一次裁判権は米側にあるとする日米地位協定が壁になり、日本側の捜査は拒否される可能性があります。
翁長知事はその後、自民党の岸田文雄政調会長と県庁で面談。「県が何度要請しても、政府は『米軍に伝える』というだけ。数日後には米軍機は飛び立つ。当事者能力があるのか」と厳しく迫りました。
事故当日の夜から12日にかけて、あかみね政賢前衆院議員(沖縄1区候補)ら「オール沖縄」4候補が防衛局に抗議しました。