2017年10月11日(水)
明け渡し命じる不当判決
神戸地裁 借り上げ復興住宅裁判
阪神・淡路 大震災被災者
阪神・淡路大震災の被災者が入居する借り上げ復興市営住宅「キャナルタウンウェスト」(兵庫区)から、借り上げ期間満了を理由に神戸市が退去を求めた四つの裁判のうち、最後に訴えられた住民に対する判決が10日、神戸地裁(山口浩司裁判長)であり、住宅の明け渡しを命じる不当判決が出ました。
判決後の会見で、借上復興住宅弁護団の佐伯雄三団長が弁護団声明を発表しました。声明は、79歳で1人暮らしの住民の生活実態や神戸市の明け渡しを求める論拠が崩れていることなどを住民側が主張し立証することを求めたにもかかわらず、実質3回の審理で打ち切り、弁論再開にも応じなかった裁判所に強く抗議。拙速な審理と不当な判決を強く批判し、控訴して上級審で不正義を是正し、自治体から理不尽な明け渡し請求を受けることなく、命と健康なくらしの基本である「住まい」が安心して確保されるように引き続きたたかっていくことを表明しました。
白子雅人副団長は、「一体、私はどこに行けばよいのでしょうか」「私は、本当にここでしか生活できないのです」など、判決に対する住民の切実な声を紹介しました。
報告集会では、判決と「事前通知」など裁判の争点、経過を吉田維一弁護団事務局長が報告し、支援者らが判決と神戸市への抗議の思いを語りました。