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2017年10月10日(火)

国連総会第1委 核兵器禁止条約が討論の焦点に

各国が次つぎ支持表明/保有5カ国も無視できず

日本政府は言及せず

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 【ワシントン=池田晋】国連本部で開かれている第72回国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)の一般討論では、9月に署名が始まった核兵器禁止条約が核保有国にとっても無視できない議題の一つになっています。6日までに核不拡散条約(NPT)下で核兵器保有が認められている米英仏中ロの5カ国はいずれも核兵器禁止条約について意見を表明しました。日本政府は唯一の戦争被爆国でありながら、条約に一言も言及しない態度をとり続けています。


 討論では非同盟運動や新アジェンダ連合に加え、アフリカ、中東、東南アジア、カリブの地域代表が次々と禁止条約への支持を表明。世界的な賛同の広がりを改めて印象づけました。

 一方、米国は、「全加盟国に禁止条約に署名しないよう要請する」と露骨な敵対姿勢を表明。トランプ政権下で初となる一般討論では、「核なき世界」への言及もなく、国際社会の最大の共通目標との乖離(かいり)を軍縮分野でも浮き彫りにしました。

 英仏は、「予測不能な安全保障環境が、見通せる将来のために核抑止力の維持を要求している」(英国)などと署名しない意向を表明。北朝鮮の脅威を盾に軍縮を拒む米国と、歩調を合わせました。

 ロシアも署名しないとし、各国に既存のNPT体制下での軍縮プロセスに従うよう要求。欧州や韓国、日本で更新が進む米国の地球規模のミサイル防衛網が核削減を困難にしていると批判しました。

 中国は、国際的な核不拡散体制が直面する深刻な課題の一つに、禁止条約の採択をあげるにとどまりました。

 日本政府は、「核保有国と非保有国の間の協力と信頼の再構築が不可欠」と述べたものの、禁止条約の評価には言及せず。包括的核実験禁止条約(CTBT)と核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の2条約を「核軍縮の最も実用的な構成要素」として推進する考えを示しました。

 北朝鮮は「核兵器の完全廃絶という禁止条約の第一の焦点には賛成するが、核の脅威を北朝鮮にもたらす米国が条約を拒否しているため、北朝鮮は加盟する立場にない」と述べました。

 国連の中満泉(なかみつ・いずみ)軍縮担当上級代表(事務次長)は6日、禁止条約の推進派と反対派の双方に「分断の橋渡しをし、共通の考え方を生み出していきたいと思っている国がたくさんある」と指摘。保有国が条約にすぐ入るのは困難だとしつつ、市民の運動の積み重ねが規範の普遍化に必ずつながると強調しました。


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