2017年10月8日(日)
国連総長が祝福・歓迎
中満氏「政府を動かす契機に」
【ワシントン=池田晋】核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が2017年のノーベル平和賞を受賞したことについて、国連では6日、グテレス事務総長や中満泉・軍縮担当上級代表(事務次長)らが、核軍縮のさらなる前進に向けた新たな機運にしたいと祝福と歓迎を表明しました。
グテレス氏は報道官を通した声明で「市民社会が断固とした努力を通じ、もし核兵器が再び使用されれば人道面、環境面で途方もない結果となると強調してきたことが評価された」と称賛。全加盟国に「核なき世界への展望といっそうの決意を示す」よう改めて求め、「核の悪夢という脅威を終わらせるためにあらゆる策を尽くすことが急がれる」と強調しました。
中満氏は国連本部で記者団の取材に応じ、北朝鮮問題で「核の危機」への認識が世界的に高まる中での受賞は「非常に意義がある」と評価。核なき世界を達成することは「最優先課題だ」と強調しました。
また被爆者が「自分たちの体験を世界中に広めようと努力している」ことに改めて謝意を表明。核軍縮に向け各国で「どのように世論を形成し、政府を動かしていくのかを考える重要な契機にしてほしい」と述べました。
軍縮・国際安全保障を議論する国連総会第1委員会のウルーム議長(イラク国連大使)は同委員会での一般討論で、「ICANに心からの祝福を送りたい」と表明しました。