2017年10月5日(木)
柏崎刈羽 規制委が「適合」判断
6・7号機審査書案 東電の原発で初
原子力規制委員会は4日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が新規制基準に「適合」との審査書案を了承しました。5日から30日間の意見募集を行います。事故を起こした福島第1原発と同じ、沸騰水型としても東電としても初の審査書案の了承。事故の収束、賠償、廃炉の見通しが立たないもとで、甚大な被害をもたらした事故の当事者に対し、再稼働の道を開く判断に、傍聴席からも「適格性なし」と声が上がりました。
規制委は審査で、東電に原発を運転する適格性を議論し、「ないとする理由はない」と結論づけました。
東電は2013年9月、審査を申請。規制委は、15年8月から沸騰水型原発審査のひな型にと集中して審査を進めましたが、数々の問題が発覚。昨年、敷地内の液状化の危険性を一転して認め、緊急時対策所の位置を変更しました。今年2月には、事故対応施設の免震重要棟が、想定される地震動に耐えられないことが判明。3年前に試算をしながら審査で虚偽説明を続けていました。
同原発は軟弱な地盤で、敷地内の断層が活断層の可能性があると地元の研究者や市民団体が指摘するなど多くの問題があります。
再稼働には地元の同意が必要。しかし、新潟県の米山隆一知事は、福島第1原発事故の検証などを進める県独自の委員会を設置し「検証が終わるまで、再稼働の議論をするつもりはない。(検証には)3〜4年かかる」と述べています。