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2017年9月30日(土)

日本共産党の躍進で安倍暴走政治ストップ、新しい政治をつくろう

衆院解散を受け 志位委員長の第一声

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(写真)訴える志位和夫委員長=28日、東京都新宿区

 衆院解散を受けて、日本共産党の志位和夫委員長が28日に東京・新宿駅西口で行った演説を紹介します。

 みなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 今日は、お天気の悪い中、こんなに多くのみなさんが足を止め、聞いてくださいまして感激しております。ありがとうございます。(拍手)

 本日(28日)召集された臨時国会の冒頭で、安倍首相は衆議院を解散しました。10月10日公示、22日投票で総選挙が行われます。

 日本共産党は、政党を選ぶ比例代表選挙で、全国で「850万票以上、15%以上」への躍進をめざして奮闘いたします。小選挙区でも全国で議席を得るために頑張り抜きます。どうかみなさまに絶大なご支持をよろしくお願いいたします。(「頑張れ」の声、拍手)

安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンスの選挙

 まず私が訴えたいのは、冒頭解散――こんなに道理のない、こんなに無法な解散は戦後初めてのことだということです。

 野党は、6月22日に、一連の国政私物化疑惑の徹底究明のために憲法53条に基づいて臨時国会の召集を要求しています。この要求を3カ月間もほったらかしにしたあげく、国会を召集したと思ったら、その日に解散してしまう。その理由はただ一つです。「森友・加計疑惑」隠し。この一点です。私は、この憲法違反の暴挙に強く抗議するものであります。(「そうだ」の声、拍手)

 なぜ安倍首相はこんな暴挙に打って出たのか。国民のみなさんの世論と運動に追いつめられた結果です。7月の東京都議会議員選挙、自民党は歴史的惨敗だったではありませんか。追いつめられた結果の解散です。

 ですから、今度の総選挙は、安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンスの選挙です。市民と野党の共闘を成功させ、日本共産党を躍進させていただいて、安倍政権を退場に追い込み、新しい政治をつくる選挙にしていこうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

安倍暴走政治をそのまま続けていいのかが最大の争点

 さてみなさん、今度の総選挙の争点は何でしょうか。

 第一の、そして最大の争点は、安倍暴走政治をこのまま続けさせていいのか。ここにあります。

 この5年間、安倍自公政権がやってきたことは何だったでしょうか。

憲法ないがしろ――立憲主義と平和主義を取り戻そう

 憲法をこれだけないがしろにした政権はかつてありません(「そうだ」の声)。安倍政権は、2013年12月、国民の目・耳・口をふさぐ秘密保護法を強行しました。2015年9月、「憲法9条のもとでは集団的自衛権は行使できない」という戦後半世紀以上の政府の憲法解釈を百八十度覆して、安保法制・戦争法を強行しました。そして今年6月、国民の心を罰する共謀罪法を強行しました。

 この三つは、そのすべてが憲法違反の法律であります。そしてこの三つは、すべてが「海外で戦争する国」づくりの道具立てではありませんか。(「そうだ」の声)

 みなさん、今度の総選挙を、安保法制、秘密保護法、共謀罪――三つの違憲立法をそろって廃止し、日本の政治に立憲主義と平和主義を取り戻す選挙にしていこうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

民意の踏みつけ――日本の政治に民主主義を取り戻そう

 それからみなさん、国民のみなさんの民意をこれだけ踏みつけにした政権はかつてありません。

 沖縄県民のみなさんが、選挙で何度も「辺野古の新基地建設は許さない」と圧倒的な審判を下しても、それに耳を傾けることなく、強権につぐ強権で基地をつくろうとしています。こんな暴挙は民主主義国家で決して許してはなりません。(「そうだ」の声、拍手)

 どの世論調査を見ましても、原発再稼働に5割〜6割のみなさんが反対と答えています。ところが安倍政権は、再稼働をゴリ押しし、あげくのはてに福島原発事故を起こした東京電力の柏崎刈羽原発まで再稼働しようとしています。再稼働をやめさせ、原発ゼロの日本をつくろうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん。民意踏みつけの政治はもう終わりにして、日本の政治に民主主義を取り戻す選挙にしていこうではありませんか。

国政の私物化――新しい国会で疑惑の徹底追及を

 そしてみなさん、こういう暴走政治の行き着いた果てが、「森友・加計疑惑」など国政私物化であります。

 安倍首相夫妻のお友だちなら国有地が特別に値引きされる。獣医学部新設で特別の便宜がはかられる。国民の7割〜8割が「首相の説明に納得できない」といっているのに、2人のキーパーソンが出てきませんね。安倍昭恵さん、加計孝太郎さん、2人のキーパーソン、証人喚問に出そうとしないじゃないですか。出てきてもらおうじゃないですか。(「そうだ」の声、拍手)

 安倍政権は、疑惑隠しにひた走る態度です。しかし、こんな重大疑惑がそのままにされたら、日本は法治国家といえなくなってしまいます。

 この問題を、絶対にあいまいにすることなく、新しい国会で徹底追及する決意を申し上げたいと思います。(拍手)

 みなさん、憲法を壊し、民意を踏みつけにし、国政を私物化する――こんな暴走政治をこのまま続けていいのか。これが最大争点です。

 どうかみなさん、日本共産党を伸ばしに伸ばしていただいて、数におごった安倍政権に総選挙で退場の審判を下し、日本の政治を主権者である国民の手に取り戻そうではありませんか。(大きな拍手)

北朝鮮問題――憲法9条もつ日本こそ「対話による平和的解決」のイニシアチブを

 第二の争点は、北朝鮮の核・ミサイル問題をどうやって解決するかであります。北朝鮮が国際社会の一致した意思を踏みにじって、核実験と弾道ミサイル発射を行っていることは、もとより絶対に許すわけにはまいりません。

破滅をもたらす戦争は絶対に起こしてはならない

 同時に、私が訴えたいのは、破滅をもたらす戦争だけは絶対に起こしてはならない。このことであります。(拍手)

 さきの国連総会の演説で、トランプ米大統領は北朝鮮を「完全に破壊する」と恫喝(どうかつ)しました。それに対して北朝鮮も、「超強硬な対抗措置をとる」と恫喝しました。恫喝と恫喝の応酬になっている。たいへんに危ない状況です。

 いまの一番の危険はどこにあるでしょうか。それは、米朝の軍事的緊張が高まるもとで、当事者たちの意思にも反して、偶発的な事態や誤算から軍事衝突が起こることであります。

 私は、米国政府も、北朝鮮政府も、戦争になったらどういう重大な結末に至るかは理解していると思います。しかし、偶発的な事態が起こるかもしれない。誤算が起こるかもしれない。そのときに、軍事衝突が起こる危険があります。そして、一度、軍事衝突が起こったら、コントロールができず、戦争になる危険がある。戦争になったら、この戦争は核戦争です。

 このような戦争はどんなことがあってもやめさせなければならないということを、私は心から訴えたいと思うのであります。(「そうだ」の声、拍手)

経済制裁強化と一体に「対話による平和的解決」を

 それではどうするか。

 日本共産党は、この危機にさいして、8月12日に声明を発表しまして、危機打開のために米朝が直接対話に踏みだすべきだという提唱を行い、関係各国に働きかけを続けてまいりました。これが緊急に必要ではないでしょうか。

 経済制裁強化は必要ですが、制裁強化だけでは解決することはできません。経済制裁強化と一体に「対話による平和的解決」に力をつくすことが、唯一の解決方法ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 この声は世界の多数の声となっています。ドイツのメルケル首相も、フランスのマクロン大統領も、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、世界の多くの首脳が、「対話による平和的解決」を訴えています。

対話否定、米国の軍事力行使容認、日米軍事一体化――危険な姿勢をあらためよ

 そのなかで、安倍首相のとっている態度はどうでしょうか。安倍首相は、国連総会での演説で、「対話をやっても意味がない」「対話ではなく圧力を」と、異常な対話否定論を主張しました。

 そして、「すべての選択肢はテーブルの上にあるという米国政府の立場を支持する」と、アメリカによる軍事力行使を公然と容認する態度をとりました。

 さらに、安倍政権は、この間、安保法制=戦争法を発動し、海上自衛隊の艦船がアメリカの軍艦に燃料を補給したり、武器を使って防護をする――こういうことがやられています。しかも重大なことは、国民のみなさんが知らないところで、こういう作戦がやられているということです。一部報道で明らかにされ、後になってわかってきた。

 こういう日米軍事一体化の強化は、この地域での軍事対軍事の悪循環をいっそうひどくするものにほかなりません。そして、万一、軍事衝突となったら、米国の戦争に日本の自衛隊が自動的に参戦することになってしまいます。国民の知らないところで、日本が戦争の当事国になっていいのか。

 安保法制=戦争法があることが、日本の平和を守っているのでなく、逆に、日本を戦争の危険にさらしているのです。北朝鮮問題とのかかわりでも、憲法違反の安保法制=戦争法は、一刻も早くなくすべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 対話を否定し、米国の軍事力行使を容認し、日米の軍事一体化をすすめる――これが安倍政権の態度です。私は、安倍政権が、こうした危険な姿勢をただちにあらためることを強く求めます。(拍手)

 憲法9条をもつ日本こそ、「対話による平和的解決」のためのイニシアチブを発揮すべきではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。日本共産党は、そのことを強く求め、また事態がそうした方向に向かうよう、力をつくす決意であります。

暮らしと経済――消費税10%は中止し、格差と貧困ただす経済改革を

 第三の争点は、暮らしと経済の問題です。

暮らしも経済も壊す消費税10%は中止せよ――この声をつきつけよう

 2019年10月からの消費税10%への大増税を許していいのか。これは今度の総選挙で問われる大争点となっています。

 安倍首相は、解散の口実として、突然、「消費税10%増税分の一部を教育と子育てにまわす」ということを言い出しました。教育と子育てという国民のみなさんの切実な願いを、いわば“人質”に取った形で、2度も延期を余儀なくされた、10%への大増税を無理やりのみ込ませようとしている。これが安倍首相の魂胆です。こんなことを、許していいでしょうか。(「許せない」の声)

 2014年4月に行われた8%への大増税が何をもたらしたのか。それは日々のお買い物でその重さを痛感されているのではないでしょうか。

 今年8月までで、増税から41カ月が過ぎました。この41カ月で家計消費が前年同月比でプラスになったのはたった4カ月だけです。残りの37カ月はずっとマイナスが続いているのです。

 政府は、「増税の影響は半年くらいで終わる」と言っていたのですが、3年以上たっても、深刻な消費不況が続いているではありませんか。

 こんな時に10%への大増税やったら、家計も経済もどん底に突き落とされることになることは火を見るよりも明らかではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。10%の大増税は中止せよ――この声を突きつけようではありませんか。(大きな拍手)

税金、予算、働き方、地域経済――格差と貧困をただす四つの経済改革を

 日本共産党は、「格差と貧困をただす四つの経済改革」を実行いたします。

 第1は、税金の改革です。消費税10%は中止し、増税するなら「アベノミクス」で大もうけをあげている富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ実行すべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 第2は、予算の改革です。5・2兆円と史上最大規模まで膨れ上がった軍事費と無駄な大型開発にメスを入れ、社会保障、教育、子育て、若者など、貧困と格差の是正につながる予算を思い切って増やそうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 第3は、働き方の改革です。電通で働き、過労自殺した若い女性の問題が、大きな社会問題になりました。先日、電通の社長が謝罪しました。お母さんは、謝罪を受け入れつつ、「娘は二度と生きて帰ってくることはない」。こうコメントされました。こういう悲劇を繰り返してはなりません。

 「残業代ゼロ法案」を許さず、長時間労働を法律で厳しく規制し、この日本から過労死をなくしていこうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 非正規社員から正社員への流れを作り、中小企業への手当てをしっかりやりながら、最低賃金を大幅に引き上げて、8時間働けば普通に暮らせる社会を、ご一緒につくろうではありませんか。(拍手)

 第4は、地域経済の再生です。日本経済を土台から支えている中小企業をしっかり応援するとともに、農産物の価格保障・所得補償によって、「安心して続けられる農業」をつくり、先進国で最低水準まで落ち込んでしまっている食料自給率を大幅に引き上げようではありませんか。(拍手)

1%の富裕層や大企業のための政治ではなく、99%の国民のための政治を

 みなさん、この四つの改革に、一つの立場が貫いております。それは、「1%の富裕層や大企業のための政治ではなく、99%の国民のための政治を」。これが日本共産党の経済改革の考え方であります。(拍手)

 党をつくって95年、財界献金をびた一文受け取っていない日本共産党を大きく伸ばしてこそ、この改革の実行ができるのではないでしょうか。どうか力を与えてください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)

安倍政権による9条改憲ストップ――この一点で力をあわせよう

 第四の争点は、安倍政権による憲法9条改定を許していいのかであります。

自衛隊を明記したら、9条2項の空文化=死文化、無制限の海外派兵に道開く

 安倍首相は、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」と言っております。これがやられたら、どうなるでしょうか。それは単に存在する自衛隊を憲法で追認するだけにとどまるものではありません。

 「後からつくった法は、前の法に優先する」――これが法律の一般原則と言われます。ですから、たとえ9条2項――「陸海空軍、その他戦力はこれを保持しない」という条項を残したとしても、後からつくった別の独立した項目で自衛隊を書き込んでしまったら、2項は空文化=死文化してしまいます。

 しかしみなさん、憲法9条を9条たらしめている、9条の“命”は2項ではありませんか(拍手)。2項があるからこそ、戦後、これまでのところ、日本の自衛隊は1人の外国人も殺さず、1人の戦死者も出してこなかった。2項が大きな壁になって、海外派兵を止めてきたんです。これを空文化=死文化してしまったら、無制限の海外での武力行使に道を開くことになってしまいます。このような恐ろしい道は、断固「ノー」の審判を下そうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 だいたいみなさん、安倍首相に、憲法改定を言い出す資格があるでしょうか。秘密保護法、安保法制、共謀罪、どれもこれもが憲法違反の法律ばかりです。野党が憲法にもとづいて、臨時国会の召集を要求しても、葬ってしまった。憲法を守らない首相に、憲法を変える資格はない――このことを私は言いたいと思います。(「そうだ」の声、大きな拍手)

反戦・平和を貫いてきた日本共産党に「9条守れ」の思いを託して

 みなさん、憲法9条は、あの侵略戦争によって、310万人の日本国民が犠牲になり、2000万人のアジアの人々が犠牲になった、その惨禍のうえに、もう二度と戦争はしない、世界平和の先駆けになる、そのことを世界に誓った、私たち日本国民が世界に誇る、日本の宝ではないでしょうか。(拍手)

 安倍政権による9条改憲ストップ――この一点で、政治的立場の違い、思想・信条の違いを超えて力をあわせようではありませんか。(拍手)

 党をつくって95年、戦前、戦後、どんな苦しい時代にも、命がけで、一筋に、反戦・平和を貫いてきた日本共産党に、「9条守れ」の思いを、どうか託していただきたい、よろしくお願いいたします。(「頑張ろう」の声、大きな拍手)

被爆国・日本でこそ、核兵器禁止条約にサインする政府をつくろう

 第五の争点は、被爆国・日本でこそ、核兵器禁止条約にサインする政府をつくろうということです。

歴史的な核兵器禁止条約の採択――被爆者、反核・平和運動、日本共産党の貢献

 7月7日、核兵器禁止条約が、国連加盟国の3分の2、122の国の賛成で採択されました。

 核兵器禁止条約は、核兵器の非人道性を厳しく告発し、その開発、実験、生産、保有、使用、使用の威嚇などを全面禁止しました。使用の威嚇――核兵器を使って他の国を脅すことも違法として禁止されました。核兵器禁止条約によって、核兵器は、非人道的で、反道徳的なものであるだけではなく、ついに違法なものとなりました(拍手)。核兵器に「悪の烙印(らくいん)」が押されたのです。

 この世界的な平和の大激動をつくった力はどこにあったか。命がけで先頭にたったのは、核兵器廃絶を訴えつづけた被爆者のみなさんです。戦後、一貫して、「核兵器のない世界」を求めて頑張りつづけた日本の反核・平和運動の努力が実りました。そして私たち日本共産党の一貫したたたかいも、歴史的な核兵器禁止条約をつくるうえでの貢献になったと思います。

 核兵器禁止条約の「国連会議」に、3月、7月と2回にわたって、私と笠井(亮政策委員長)さんなど、日本共産党代表団が参加しまして、会議の成功のために頑張ってまいりました。私自身、国連で、日本共産党を代表して、公式の演説をすることができたということもご報告しておきたいと思います。(「いいぞ」の声、拍手)

唯一の戦争被爆国として条約に背を向ける恥ずべき日本政府の態度

 みなさん、こういう平和の大激動が起こっているときに、唯一の戦争被爆国である日本の政府がこの条約に背を向けているのは、恥ずべきことではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 日本政府のこの態度には、被爆者の方々から、「国連会議」でも、「心が裂ける思い」「母国に裏切られた」などと強い怒りの声があがりました。

 私は、「国連会議」に参加したさい、ある日の会議が終わって、空席だった日本政府席に、後ろから見ますと何か大きいものが置いてある。何だろうと思って、そばまで行ってみますと、大きな折り鶴なんです。そこには、「あなたにここにいてほしい」。こう書いてありました。NGOがつくったと聞きました。日本政府は、被爆国の政府でしょう。それなのに、どうしてここにいないの。「あなたにここにいてほしい」。これが世界の声なのであります。この声に背を向けている政府は恥ずかしい政府ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 私は、日本政府に、核兵器禁止条約にサインすることを強く求めます(拍手)。サインしないというのだったら、私たちの手で政府を取りかえて、サインする政府をつくろうではありませんか(拍手)。その意思を総選挙で示そうではありませんか。(大きな拍手)

市民と野党の共闘――逆流が持ち込まれるもとでも、この道を揺るがず進む

 訴えの最後に、市民と野党の共闘の現在の状況と、私たちの立場についてお話をさせていただきます。

 この2年間、私たちは、4野党と市民での共闘を発展させるために力をつくしてきましたが、民進党は今日(28日)、突然、「希望の党」との合流を決めました。

 合流といっても、民進党の候補者は「希望の党」に公認を申請する、その審査するのは「希望の党」だということです。ですから、合流というより、「希望の党」が民進党を吸収・合併・併合したというのが、事の真相だと思います。

「希望の党」――顔ぶれをみても、政治的主張も、自民党の補完勢力

 そもそも、小池都知事も中心になってつくっている「希望の党」というのは、どんな政党でしょうか。

 まずその顔ぶれ見てください。自民党政治の中枢にいた人。野党共闘に反対して民進党を出てきた人。ウルトラ右翼の潮流にいる人。そういう人たちが一緒に作っている政党であります。

 そして唱えている政治的な主張は何か。先日、「結党」の記者会見が行われました。それを見てみますと、いろいろと「政策」をならべていますが、政治的主張ではっきりしているのは二つです。

 一つは、安保法制を容認する。北朝鮮問題に対して、安保法制で対応するのは当然だ。こういうことを言っております。

 もう一つは、憲法9条含む憲法改定を推進する。

 この二つが政治的な主張の要です。安保法制容認、9条を含む改憲推進――これが「希望の党」の立場です。

 みなさん、顔ぶれを見ても、政治的主張を見ても、「希望の党」が自民党の補完勢力であることは、あまりにも明らかではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

民進党の決定は、公党間の合意、市民連合との合意を裏切る、重大な背信行為

 みなさん、この2年間、私たちは、野党と市民の共闘をやってまいりました。この共闘の「一丁目一番地」――共闘の「原点」は、憲法違反の安保法制=戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻すこと、ここにあります。

 この原点にたって、2年間、共闘を発展させる努力をやってきたのです。そうしますと、民進党の今回の決定は、2年間の共闘の「原点」、共闘の積み重ねを否定するものといわなければなりません。

 そして、4野党の党首で何度も合意をしてきた、国政選挙でできる限りの協力を行う。憲法違反の安保法制は廃止し、立憲主義を回復する。こういう公党間の合意を一方的に反故(ほご)にするものといわなければなりません。(「そうだ」の声、拍手)

 それだけではありません。4野党は、市民連合のみなさんと、つい最近、「安保法制の白紙撤回」を含む共通政策を確認したばかりです。それをも一方的に裏切る行為といわなければなりません。

 この民進党の決定は、共闘を発展させるために一生懸命頑張ってきた人々に対する重大な背信行為といわなければなりません。(「そうだ」の声、大きな拍手)

勇気をもって共闘の道を進む人々とは、しっかりと共闘を追求する

 それではどうするか。共闘に重大な逆流が持ち込まれたことは明らかですが、日本共産党は、市民と野党の共闘によって日本の政治を変えていくという立場を揺るがず堅持して、今後も進んでまいります。(「おーっ」の声、大きな拍手)

 市民連合のみなさんとの協力関係は、今後もしっかりと発展させていきたいと思っています。

 そして、こうした状況の下でも、共闘の道を勇気をもって進もうという政党、議員、候補者の方々とは、しっかりと共闘を追求していきたいということを、表明するものであります。(拍手)

 一つご報告があります。今日、こういう事態を受けて、日本共産党の小池(晃)書記局長と、社会民主党の又市(征治)幹事長が会談をしまして、こういう状況の下でも、両党が総選挙においてできる限り多くの選挙区で一本化を図るということで合意したことを、ご報告したいと思います。(「いいぞ」の声、拍手)

 もちろん、民進党の候補者が「希望の党」の公認候補になった場合は、原則として、日本共産党の公認候補を擁立することになります。これは、有権者のみなさんへの当然の責任だと考えております。(大きな拍手)

 みなさん、私たちは、2年間、共闘に取り組むなかで、全国にさまざまな「共闘の絆」がたくさんつくられていることを感じます。

 2年間の歩みは、私は、今後に必ずや生きると確信しております。一時的には逆流によって共闘が後退したとしても、長い目で見れば、市民と野党の共闘にこそ未来があるということを、私は心から訴えたいのであります。(大きな拍手)

“大義の旗”“共闘の旗”を掲げる日本共産党の躍進を必ず勝ち取ろう

 そしてみなさん、安保法制廃止、立憲主義回復をはじめ、野党と市民の共闘が掲げてきた“大義の旗”を高く掲げているのが、日本共産党であります。共闘の力で政治を変える――“共闘の旗”を高く掲げているのが日本共産党であります。

 この日本共産党を躍進させることこそ、市民と野党の共闘をさらに前に進める最大の力となり、日本の政治を良くする一番の力になるのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、今度の総選挙は、日本の命運がかかった大事な選挙です。どうか、日本共産党の躍進を、この首都東京から、都議選に続いて勝ち取らせてください。安倍政権を倒し、すべての国民が、尊厳をもって生きることができる新しい日本をご一緒につくろうではありませんか。そのことを訴えまして、解散にあたっての私の訴えとさせていただきます。ありがとうございました。頑張ります。(「頑張ろう」の声、長く続く大きな拍手)


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