2017年9月29日(金)
原発避難千葉訴訟で報告集会
経済的合理性優先した判決
「控訴審で必ず挽回」
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東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県に避難した住民の訴訟で国の責任を否定した千葉地裁判決(22日)の報告集会が28日、国会内で開かれました。原告や弁護団らが主催し、約150人が参加しました。
原告団の遠藤行雄代表は「裁判官は、原発事故の法的加害責任を否定した。国に過失はないと。しかし、これにひるむことなく、高裁の控訴審にのぞむ決意です」とあいさつ。
弁護団は判決内容について報告。国に規制権限があることや、敷地を超える高さの津波の到来を予見できたとした内容は「原告の主張をほぼ受け入れている」と説明。しかし、事故を防げたかどうかの段階の論点では、被害の重大性に一切触れず、リスクがわからないので対策を取らなくてもいいなどと経済的合理性優先の「矛盾した流れになっている」として、「控訴審で必ず挽回したい」と語りました。賠償の問題では、「ふるさと喪失」に対する慰謝料が認められたと受け止めてもいいが、認定額が「妥当ではない」と述べました。
各地の原告・弁護団が決意を表明。来月10日に福島地裁で判決が出る「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟弁護団の南雲芳夫幹事長は「安全性と経済性をてんびんにかけることは許されない判断を求める」として、国と東電の責任を認めた3月の前橋地裁判決、千葉地裁判決の成果面をさらに前進させたいと述べました。
集会では、原発をなくす全国連絡会など各団体から連帯あいさつがありました。