2017年9月21日(木)
学校給食無償化広がる
83市町村実施 住民と共産党が運動
本紙調査
公立小学校や中学校の給食費(食材費)の保護者負担を全額補助して無償にする市町村が少なくとも83に増えていることが本紙調査で20日までに分かりました。保護者が負担する給食費の平均月額は、小学校で約4300円、中学校で約4900円です。無償化によって年間5万円程度の負担軽減になります。日本共産党は住民の運動と結んで、市町村議会をはじめ県議会や国会でも2011年には無償化を求めています。
市町村の無償化の状況について、本紙の調査(1月14日付、2月26日付)で昨年度62に広がっていることが判明。一方、文科省が以前から実施している給食費徴収状況調査で把握した無償化市町村は61。二つの調査を整理すると、昨年度学校給食費を無償化したのは63市町村でした。今年度20市町村で無償化が始まり、昨年度と合わせて83市町村に広がっています。
無償化の理由として、子育て支援や定住しやすい環境づくりに加え、給食を教育の一環としてとらえる「食育」の推進をあげる自治体が増えています。
無償自治体の広がりを受けて、文部科学省は初めて、全市区町村を対象にした「学校給食費無償化調査」をします。11月初めに集約するとしています。調査項目は無償化のほか半額補助など「一部補助」、無償化について、子どもや保護者・地域の変化、予算確保などです。
給食無償の市町村
開始時期 市町村
1948年ごろ 山口県和木町
76年度 東京都御蔵島村
2006年度 北海道三笠市(小)
09年度 宮崎県諸塚村
10年度 群馬県南牧村、長野県王滝村
11年度 群馬県上野村、群馬県神流町、埼玉県滑川町、兵庫県相生市、沖縄県嘉手納町
12年度 秋田県八郎潟町、栃木県大田原市、山梨県早川町、山梨県丹波山村、奈良県黒滝村、
奈良県上北山村、沖縄県渡名喜村
13年度 北海道美瑛町、青森県七戸町、青森県新郷村、福井県永平寺町、岐阜県岐南町、
奈良県野迫川村、和歌山県高野町
14年度 北海道上ノ国町、青森県六ケ所村、秋田県東成瀬村、福島県金山町、東京都奥多摩町、
熊本県山江村、沖縄県粟国村、沖縄県与那国町、沖縄県多良間村
15年度 北海道木古内町、北海道小清水町、北海道陸別町、北海道足寄町、北海道赤井川村、
北海道浦幌町、青森県南部町、埼玉県小鹿野町、東京都利島村、長野県売木村、
京都府伊根町、和歌山県北山村、島根県吉賀町、佐賀県太良町、熊本県水上村
16年度 北海道西興部村、北海道大空町、北海道福島町、北海道北竜町、北海道浦臼町、
宮城県七ケ宿町、群馬県嬬恋村、千葉県大多喜町(中)、長野県平谷村(小)、
滋賀県長浜市(小)、和歌山県古座川町(小)、広島県神石高原町、高知県大川村、
鹿児島県宇検村
17年度 北海道上川町、北海道清里町、北海道黒松内町、青森県東北町、山形県鮭川村、
群馬県みどり市、群馬県渋川市、群馬県草津町、群馬県板倉町、茨城県大子町、
千葉県神崎町、岐阜県揖斐川町、富山県朝日町(中)、佐賀県上峰町、佐賀県江北町、
熊本県荒尾市(小)、鹿児島県南さつま市、鹿児島県長島町、鹿児島県南種子町、
沖縄県金武町
(小)は小学校のみ (中)は中学校のみ