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2017年9月19日(火)

戦争法強行2年

「安全」どころか国民知らぬ間に「参戦国」に

安倍暴走に審判を

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 安倍晋三首相が28日召集予定の臨時国会の冒頭で衆院解散・総選挙を狙うなか、安保法制=戦争法の強行成立から19日で2年になります。小野寺五典防衛相は15日の記者会見で、「わが国の安全は一層確実になった」と断言しましたが、逆に日本が参戦国になる危険が高まっています。圧倒的な国民の反対世論を押し切り、安倍政権と自民・公明両党などが強行した戦争法の廃止は急務です。


 「目に見える形で圧力をさらに強める」―。北朝鮮が中距離弾道ミサイル「火星12」を発射(8月29日)したことを受け、小野寺氏とマティス米国防長官はこう表明。31日、米軍のB1B戦略爆撃機とF35Bステルス戦闘機、空自のF15戦闘機各2機が九州周辺の空域で編隊飛行して日米同盟を誇示しました。

集団的自衛権行使

 同時に、戦争法に基づき、「目に見えない」米軍支援が拡大しています。戦争法初の任務として、5月1日、ヘリ空母「いずも」などが日本海に向かう米補給艦の「防護」を実施。自衛隊法95条の「武器等防護」の対象を米軍等に拡大したことに伴うものです。

 「米艦防護」の最中に偶発的な事態が発生すれば、自衛隊は武器を使用して「反撃」できます。戦争法で定めた「存立危機事態の発生」という要件すら満たさず、脱法的な集団的自衛権の行使につながります。

 さらに4月以降、海自の補給艦が北朝鮮の警戒・監視にあたる米イージス艦に給油を行っていました。戦争法の一環として改定された日米ACSA(物品役務相互提供協定)では、「弾道ミサイル対処」にあたる米軍も新たに支援対象としています。これも、偶発的な衝突が発生したからといって中断は考えられず、歴代政権が憲法上、回避してきた「他国の武力行使との一体化」につながります。

強まる情報隠し

 重大なのは、政府が「米艦防護」もACSAも、「運用上の理由」を盾に実施状況を非公表としていることです。いつ、どこで、何をしているのか、国民が何も知らないうちに米軍の戦争に参戦し、国土が「戦場」になる事態すらありえるのです。

 政府は戦争法初の任務として、昨年11月、南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊に「駆け付け警護」を付与。しかし、今年2月、自衛隊が活動する首都ジュバで「戦闘発生」と明記していた「日報」の隠蔽(いんぺい)が発覚。新任務の実施どころか撤退を余儀なくされ、7月には稲田朋美防衛相らが辞任に追い込まれました。戦争法の大破たんです。

 ところが安倍政権は、こうした情報隠蔽に対する国民の批判を真摯(しんし)に受け止めるどころか、さらなる隠蔽に走ろうとしています。とりわけ、ACSAについては、政府はこれまで実施状況を国会に報告してきました。国民への説明責任の放棄が問われています。


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