2017年9月15日(金)
第42期 囲碁新人王戦 18日から決勝三番勝負
高いレベルに期待と注目
芝野虎丸七段(17)と孫普iそん・まこと)五段(21)の“本命対決”となった第42期囲碁新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負は18日(月・祝)に東京都千代田区の日本棋院で開幕します。誰もが認める実力者同士。「レベルの高い決勝戦が期待される」(大矢浩一九段)と注目が集まっています。
入段3年でトップ入り
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芝野七段は全棋士参加の公式戦(竜星戦)で初優勝して、三段から四段跳びで七段に昇段。4日には一昨年の新人王・許家元四段(現七段)を破って、難関の本因坊戦リーグ入りを決めました。入段してわずか3年で囲碁界のトップ棋士への仲間入りを果たした逸材です。(昨年もあと1勝で名人戦リーグ入りとなるところまで進出)
昨年の新人王戦は、1回戦で決勝の対戦相手、孫五段に敗れました。今期は順調に勝ち上がり、準決勝では女流囲碁界のトップ、藤沢里菜女流四冠に勝って、決勝進出を決めました。
今年も16連勝を含む37勝9敗(13日現在)と8割を超す勝率を記録しています。
芝野七段は「新人王は入段後のいちばん近い目標だったので、昨年1回戦で負けてしまったのは残念でした。今期は2回戦の寺山怜四段(現五段)戦での逆転勝利から調子にのれました。今期が最後のチャンスになるので、優勝できるようにがんばりたい」。
しばの・とらまる 1999年11月9日生まれ。神奈川出身。2014年夏季入段。今年7月、タイトル獲得により七段昇段(史上最短記録2年11カ月)。15年の棋道賞勝率第1位賞を受賞(8割1分2厘、39勝9敗)。
七大タイトル迫る実力
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15歳での入段当初から「将来の有望株」と高く評価されてきた孫五段。入段2年目の2012年には非公式戦ながら若手棋戦(第9回中野杯)で準優勝しました。
今年は16勝8敗(13日現在)。王座戦では高尾紳路名人にも勝って、あと一歩で七大タイトル戦のひとつ、井山裕太王座への挑戦にからむところまで迫りました。
新人王戦は5期連続で本戦に出場。昨年はベスト4に進出しましたが、決勝進出を逃しました。今期は西健伸二段(関西棋院)を破って、初の決勝進出です。
「つきもあった」と今期を振り返る孫五段。対戦相手の芝野七段について「昨年の新人王戦では勝ったが、院生時代の虎丸君にゆうちょ杯(非公式戦)予選で負かされたこともある」。
「新人王戦は早く卒業するのが目標。せっかく新人王獲得のチャンスをもらったのでがんばりたい。たたかいの碁になる可能性が高いと思いますが、そのたたかいを勝ち切りたい」と語りました。
そん・まこと 1996年2月21日生まれ。神奈川出身。萩原睦七段門下。2011年入段、今年、昨年の賞金ランキングにより五段昇段。12年、第9回中野杯U20選手権準優勝。
一番勢いある棋士対決
立ち会い 大矢浩一九段の話
決勝三番勝負第1局の立会人、大矢浩一九段に見どころを聞きました。
新人王戦は「若手の登竜門」といわれ、新人王を獲得して、次にタイトルをめざすというイメージですが、今回はちょっと違います。
芝野七段はすでに史上最短でタイトルを獲得して、いまいちばん勢いのある棋士です。孫五段も実力者で、七大タイトル戦の挑戦者決定戦に匹敵する、レベルの高い碁が見られるのではないでしょうか。
芝野七段はふだんおとなしそうに見えますが、勝負になると力戦派で激しいたたかいをします。孫五段はバランス重視の印象があります。芝野七段が攻め込み、孫五段が受けて立つという展開が予想されます。
決勝三番勝負の日程
第1局 9月18日(月)東京・日本棋院
立ち会い 大矢浩一九段
第2局 10月2日(月)東京・日本棋院
立ち会い 小松英樹九段
第3局 10月9日(月)東京・日本棋院
立ち会い 神田英九段
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