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2017年9月13日(水)

沖縄・名護市長選 来年1月28日告示2月4日投票

稲嶺進市長語る

新基地建設に終止符打つ覚悟

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 来年1月28日告示、2月4日投票の名護市長選に3期目の挑戦を表明した稲嶺進市長(73)。「『名護市に新たな基地は造らせない』という信念を最後まで貫く」と述べ、「辺野古新基地建設問題に終止符を打つ覚悟だ」と決意を語りました。(聞き手・前田泰孝)


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  ―今度の選挙の意義は?

 私は、今の「オール沖縄」の源流は2010年の名護市長選だったと思うんです。辺野古ノーの一点共闘が、保守の人たちも革新の人たちも一つにまとまる「名護方式」のたたかいをつくりだしました。これが14年の、翁長雄志知事を約10万票の大差で生み出すうねりとなったと考えています。

 来年の名護市長選で私が勝利することで、一点共闘の意義を再確認する選挙にしたい。

 「この流れはより強くなった」ということを示すことが、知事を支える確かな力になります。

  ―今度の名護市長選挙で、自民党は「辺野古は争点ではない」と言っていますね。

 辺野古をめぐる国の強権が問われる今の状況の中で、辺野古問題が争点にならないはずがありません。それを問わないまま選挙をすれば、有権者をだますことになります。彼らも容認だとか推進だとか言うのなら、堂々とそれを主張して有権者の審判を仰げばいい。

 彼らは「ジュゴンと人間どっちが大事だ」「経済が一番だ」という。しかし私の前の市政は、新基地と引き換えに米軍再編交付金をもらっておきながら、学校のトイレの改修すら怠っていたんです。

 私は再編交付金をもらわずに、待機児童解消や中学までの医療費助成などの子育て支援、小中学校のクーラー設置やトイレ改修をやりとげ、耐震化率も99%まで引き上げました。再編交付金に頼らずとも2期7年で予算規模を500億円増やしてきたからできたんです。

 自民党は「稲嶺不況」などと言っているようです。しかし、実際には、建設事業予算が増え、発注額も件数も増えています。経済の面でも市政は大きく前進しています。

 この8年間、多くの市民に支えられ、職員に恵まれて公約実現ができました。まだ片付いていないのが、辺野古です。知事がこれだけ頑張っている。私もあと4年で決着をつける覚悟で立候補します。

辺野古ノー 市民とともに

命を育む海や自然守る

  ―名護方式はどのようにして生まれたのですか?

 政府が名護市に辺野古の問題を持ちこんできて20年です。

 当時私は市政幹部として、ヘリ基地反対の人たちと対峙(たいじ)する立場でした。私は組合活動をやってきたし、一坪反戦地主でもありました。葛藤し、一番苦しい時期でした。

 岸本建男市政(1998〜2006年)は、それでも住宅地上空の航空機の飛行を認めない。環境問題や日米地位協定の改定など七つの条件を付け、「これが一つでも満たされなければ基地は認めない」と考えていました。

 しかし政府は、05年の米軍再編合意でそれまでの経緯を全部無視し、それまでの閣議決定を覆してまで、現在のV字案に計画を変更してしまった。

 新基地は滑走路を2本持ち、軍港機能や弾薬庫、弾薬搭載エリアまで備えています。普天間基地とは比べ物にならないくらいの基地機能強化です。

基地容認派も声

 岸本市政の後を継いだ島袋吉和市長(06〜10年)は、無条件にこれを受け入れてしまいました。

 それまで新基地を容認していた人たちからも「国のやり方はひどすぎる」という声が次々出ました。

 そうした状況の中で、市議の有志たちが私のところに出馬要請に来ました。島袋市政で与党だった、いわゆる新基地を容認する側にいた人たちです。

 当時、不透明な市政運営に懐疑的で不信を抱く方々が「このままでは名護市は大変なことになる」と、市役所を退職した私に相談に来ました。しかし、当初は基地問題ではっきりした方針がなかなか出せないでいた。

一点共闘の思い

 選挙戦を通して、辺野古の海岸で座り込み続けるオジー、オバーたちの姿を目の当たりにし、戦争を体験した人たちの悲痛な話を聴くにつけ、辺野古新基地問題はイデオロギーではなく、命を育んできた海や自然を守ること。まさに「生活の問題」なのだと気づかされた。

 「辺野古新基地問題は避けては通れない」。私も、私を支える議員団も、政策を議論する中で、その思いを強くしていったのです。そして保守も革新もない「辺野古ノー」の一点共闘でたたかうことができたんです。

  ―新基地建設ノーの旗を鮮明にしたことで、市民が団結できる基盤ができたのですね。

 子や孫の世代に基地の負担、不安を引き継ぐわけにいきません。皆さんの応援をいただき、微力ではあるけれども頑張りたい。


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