2017年9月12日(火)
労働法制破壊の「働き方法案」
厚労省 法案要綱の審議急ぐ
厚生労働省は、「働き方改革関連法案」を今月末に開く臨時国会に提出しようと、労働政策審議会に法案要綱を示し、急ピッチで審議をすすめています。法案は、労働基準法など8本もの法律(別項)を一括改定するもので、労働者保護と労働条件の向上をめざす労働法制・政策の根本理念を変質させる大改悪をねらうものです。
8日の労働条件分科会では、「残業代ゼロ」法案を押し付けるため過労死ラインの残業を容認する時間外労働の上限規制と一本化した労基法改悪案を提示。労働者の反対を押し切って、労働時間規制を取り払う高度プロフェッショナル制度の創設と、企画業務型裁量労働制の拡大を提案しました。次回会合でとりまとめをねらっています。
今回の要綱で、突然盛り込まれたのが雇用対策法です。法律の目的や国の施策として、「労働生産性の向上」と「多様な就業形態の普及」を初めて明記。労働強化と労基法の対象外の働き方を拡大するものです。14日に開催される職業安定分科会で議論されます。
「同一労働同一賃金」に関しては、労働者派遣法、パート労働法、労働契約法を改定。「人材活用の仕組み」など企業の恣意(しい)的な判断で、正規と非正規雇用間の格差を温存・固定化させる内容です。
12日に開く同一労働同一賃金部会で2回目の議論が行われ、早期とりまとめがねらわれています。
いずれも、従来の労働法制・労働政策を大転換させる内容となっており、徹底審議を尽くし、労働者の利益に反するような法案提出を許さないたたかいが焦点となっています。