2017年9月10日(日)
パリ協定離脱の政権に反旗
国務省歳出法案 米上院委、賛成多数で可決
【ワシントン=遠藤誠二】米上院歳出委員会は6日、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)基金への拠出金約1000万ドル(約11億円)を含む、国務省・対外活動関連予算に合計510億ドルを充てるとする歳出法案を賛成多数で可決しました。
UNFCCCは、温室効果ガス排出削減のための新たな国際的枠組みであるパリ協定の実行にむけて活動する機関。トランプ大統領は6月、同条約の離脱を表明し、UNFCCC基金への拠出撤退まで打ち出しましたが、議会がその方針に反旗を翻した形です。
採決は、賛成16、反対14で可決。共和党の2議員が賛成にまわりました。
トランプ政権による反環境保護の姿勢に対しては、経済界や州レベルを含め地方自治体からの強い反発を招いています。パリ協定離脱に関しては、政権内でも賛否が分かれ、大統領長女のイバンカ補佐官、ティラーソン国務長官が離脱に反対したと伝えられました。
議会は今後、予算関連法案や税制改革などを審議しますが、トランプ大統領に反発する共和党議員もいて、政権の方針通りの法案となる保障はありません。