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2017年9月8日(金)

記者座談会 大接戦・堺市長選の様相

維新の隠せぬ本音 「都」構想への固執

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(写真)公約を語る竹山修身堺市長

 目前に迫った堺市長選(10日告示、24日投票)は、日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」が自主的支援する竹山修身市長(67)と大阪維新の会が推す永藤英機元府議(41)との一騎打ちです。激しい宣伝・組織戦となっている同市長選の様相を担当記者が話し合いました。

  維新はよほど「大阪都」構想を争点にするのが嫌なようだね。メディアも大阪版で「維新 公約から外し『封印』」(「朝日」4日付夕刊)、「維 背水の都構想封印」(「毎日」4日付夕刊)、「都構想どこへ」(「読売」5日付夕刊)、「維新は争点回避」(「産経」6日付夕刊)と書いている。

  前回選挙で「堺はひとつ、堺をなくすな」を合言葉に竹山氏が維新候補に圧勝したからね。再現を避けたいのだろう。

  維新の本音は大阪市も堺市もなくして権限も財源も吸い上げる「大阪都」を実現したい。すでに設計図を議論する法定協議会は始まっている。来秋の住民投票に再度持ち込みたい考えだ。

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(写真)「がんばろう」と唱和する「堺はひとつ 市民大集合」参加者=4日、堺市

  選挙中はだんまり。選挙で勝ったら信任を得たかのように「大阪都」に走り出すのでは有権者をばかにしている。国政では安倍暴走政治を補完し、大阪では大阪市や堺市つぶしに狂奔する維新にノーの審判を下す選挙だ。

  維新が、これが争点だと持ちだしたのが「停滞か、成長か」だ。その中身がひどい。

  落語家の笑福亭竹林さんが「停滞か、成長か」ではなく、「ウソか、マコトか」だと言っていたが、まったくだ。

  維新が「堺は停滞」している例にあげているのが、人口流出や財政だ。

  堺市の人口は、南区をのぞいた合計は増えている。南区が減っているのは主に泉北ニュータウンの府営住宅の建て替えで空き家ができたことによる。

  人口減は一時的なもの。維新府政による政策的な人口減だ。それを竹山市政への攻撃材料に使うとはいかがなものか。

  堺市議会で維新議員が人口減少問題を質問する予定にしていたが、質問を取り下げた。さすがに、議会で取り上げたら市当局から事実で反論されると気付いたのか。

竹山市政で改革着実

「大接戦」実績知らせないと

  維新が堺市の借金が1千億円も増え「借金まみれ」と宣伝しているのにもあきれる。これは国が押し付けた借金。堺市の1人当たりの市債(借金)残高は大阪市の半分で財政の健全性は政令市トップクラスだ。

  「成長」論争をするなら、さすが、ものづくりのまち堺だ。製造品等出荷額は年間3兆8千億円で大阪市を上回り、1人当たりの出荷額は政令市トップだ。ここ5年間の企業本社の流入数も堺市はプラス28、大阪市はマイナス468だ。

  維新はいつを起点に堺市は停滞したというのか。記者に聞かれた維新の永藤氏は1990年代はじめのバブル崩壊をあげ、「深く考えていなかった。漠然とした考え」と思わず口にした。

  バブル崩壊は竹山市政のせいなのか。それはないよな。

市民の声を聞き

  竹山市政が市民の声を聞きながら着実に改革を前進させていることは、取材で市民の話を聞いていてもよくわかるね。

  「住みよい堺市をつくる会」が実施した市民アンケートの返信は1万3千通を超え、「つくる会」事務局も関心の高さにびっくりしていた。

  もっとも力を入れてほしいことでは、福祉・医療、税金のムダづかいをしない、子育てしやすい環境などが多かったね。

  竹山市政はそれにこたえようとしている。国保料は8年連続引き下げ。黒字なのに引き上げの大阪市とはえらい違いだ。街頭でも「助かっている」「消費にもつながっているのでは」と好評の「おでかけ応援バス」は利用回数の上限撤廃が竹山さんの公約だ。

  政令市初の3人目以降の子どもの保育料完全無償化も評判がいいね。2人目の子どもまで拡充が公約だ。「安心して子どもが産める」と歓迎されている。ワンコイン医療費を中学3年生から高校3年生まで拡充する公約など、市民の願いが反映している。

子育てしやすい

  「共働き子育てしやすい街」ランキングで2年連続関西1位、「シニアにやさしい街」ランキングでも大阪府内1位の評価も納得できるね。

  竹山市政の実績や公約が「大阪都」になったら、どうなるのか。堺市の税収約1300億円のうち約400億円と政令市財源約130億円が「都」に吸い上げられてしまったら、身近な市民サービスが低下するのは目に見えている。

  小学校で38人を超える学級に教員を加配して少人数指導ができたのも、政令市だから。権限が奪われたら独自の施策ができなくなってしまう。

  しかも、大阪市や堺市から吸い上げた財源でカジノなど大型開発とはね。人の不幸で「成長戦略」なんてあり得ない。

  ただ、竹山市政の実績も維新の宣伝のウソも有権者にはまだまだ知られていない。維新の集会参加者から「堺は竹山市政で停滞しているのかと思った」という感想も聞かれた。

  「住みよい堺市をつくる会」が5日から市内全駅配布を開始した「日刊 堺はひとつ」ではじめて竹山市政の実績や維新政治のひどさを知ったという声が広がりつつある。

  日本共産党の小池晃書記局長を迎えての「住みよい堺市をつくる会」の決起集会(4日)は参加者であふれかえり、頑張らなくてはとの声が寄せられている。メディア関係者も「すごい熱気ですね」と驚いていた。

  維新は全国動員でローラー作戦を展開。ポスターも短期間で急増した。維新の勢いを見て「現状は五分五分」「大接戦」といっているメディア関係者も。青年のシールアンケートで投票に行く、行かないが半々だったように、まだまだ訴えが有権者にとどけきれていない。

  維新の堺つぶしの野望とフェイク(偽りの)宣伝を打ち破り、竹山氏3選で自由・自治都市堺をさらに発展させられるかどうかは、「反『大阪都』構想」「反維新」の市民共同のこれからのたたかいにまさにかかっているね。


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