2017年9月1日(金)
外交解決 放棄しない
対北で米国防長官言明
トランプ氏発言受け強調
【ワシントン=池田晋】マティス米国防長官は30日、弾道ミサイル発射を再び強行した北朝鮮への対応をめぐって「われわれは決して外交的な解決から手を引いたわけではない」と述べ、引き続き北朝鮮との対話を模索する姿勢を示しました。ワシントン近郊の国防総省で韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防相との会談前に記者団に語りました。
トランプ大統領は同日、ツイッター上に「米国は北朝鮮に対話を呼びかけ、25年間、彼らにゆすられて金を払い続けてきた。対話は解決策ではない!」と投稿しました。過去の交渉でも核開発を放棄せず、挑発行為を続ける北朝鮮にいら立ちを示したものとみられますが、圧力強化で対話を迫る政権方針からの転換ともとれる発言に波紋が広がりました。
マティス氏は、記者団から「外交解決から手を引くのか」とトランプ氏の投稿の真意を問われ、「そうではない」とただちに釈明。「(宋永武)国防相と私は国家、国民、国益を保護する責任を共有している」とも述べ、米韓国防相会談の場では北朝鮮問題での協力分野の特定が議論されたと説明しました。
トランプ氏は8月上旬にも「炎と怒りに直面することになる」(8日)などと不用意な発言で米朝間の緊張を高め、関係閣僚が収拾に追われた経緯があります。