2017年8月29日(火)
都議会開会 豊洲移転強行許されない
来年6月以降 小池知事表明に市民が抗議
大山幹事長が批判
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東京都築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)への移転を最優先課題とした補正予算案を審議する、都議会臨時会が28日開会しました。9月5日までの予定です。(関連記事)
小池百合子知事は6月に市場移転の基本方針を発表してから、初めて都議会の場で方針を説明しました。この中で、豊洲新市場と築地市場の「両方を生かしていく」としつつ、豊洲新市場への早期移転を「最優先の課題」とすると強調。これまで市場移転の前提として市場関係者や都民に繰り返し約束してきた、予定地の土壌と地下水を環境基準以下にする「無害化」について、「結果として達成されていない状況。真摯(しんし)に反省しなければならない」としながら、これを撤回。科学者から欠陥対策だと指摘されている「地下空間の追加対策」「地下水管理システムの機能強化」を「着実に実施して豊洲市場の安全・安心を確保する」と述べました。
その上で、追加対策工事の完了が来年6月上旬の見込みだとして、それ以降の移転をめざすと表明しました。
一方、小池知事は築地市場について、移転後の2019年度末をめどに、環状2号線や20年東京五輪の輸送拠点を整備すると発言。6月の基本方針発表時には強調した「築地は守る」「市場としての機能を確保する」ということにはふれないまま、「東京の食文化を担う多くの方々の努力により脈々と築かれてきた築地ブランドや、築地エリアが有するポテンシャル(潜在力)を引き続き活用」とし、民間主導での再開発で5年以内の着工をめざすと強調。市場の豊洲移転後、「将来築地に戻ることを希望する仲卸業者などに応える方策」を検討すると述べました。
日本共産党都議団の大山とも子幹事長は、「移転の前提としていた『無害化』も達成できないまま、豊洲移転を進めることは許されない」と批判。都庁舎前では、移転中止を求めて市民が宣伝・署名を繰り広げました。
本会議質疑は30日に行います。日本共産党都議団からは曽根はじめ団長が質問する予定です。