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2017年8月27日(日)

野党と市民 共闘さらに

総選挙勝利めざす三重

各小選挙区に「市民連合」

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 三重県は昨年の参院選で、安倍晋三首相が4度も来県する激しい攻勢に打ち勝って、野党と市民の統一候補が当選しました。安倍政権の支持率が急落する中、野党共闘を支えた市民の運動が、次期衆院選での野党統一候補の勝利に向けて、県内の四つの衆院小選挙区などで発足した「市民連合」によって発展しています。


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(写真)「市民連合伊賀・名張」主催の意見交換会で参加者の質問に答える日本共産党の武田良介参院議員(正面右)=7月16日、三重県名張市

 昨年3月から活動を始めていた「市民連合伊賀・名張」は、昨年12月以降、共闘した野党の議員を招き、市民との意見交換会、懇談会を行い、最大で100人の市民が参加しています。名張市内で家具を製造販売している「市民連合伊賀・名張」の名嘉真(なかま)正さんは語ります。

直接対話の場

 「参院選でわかったのですが、選挙中は候補者と市民が直接対話する機会が少ないのです。本当の意味で野党共闘の力を出そうとすれば、日ごろから野党各党や候補者の話を聞く場、市民からの疑問をぶつける場をつくる必要があると思いました。次の衆院選に特化し、政党との接点をつくる活動です」

 昨年12月に民進党の芝博一参院議員、今年4月に同党の松田直久衆院議員が、7月には日本共産党の武田良介参院議員が参加しました。

 開催してわかったこともありました。各党の違いと同時に、安保法制反対、安倍改憲反対、立憲主義の回復、アベノミクスによる生活破壊の阻止など参院選時の協定4条件に加えて、原発再稼働反対など予想外に一致点が多かったのです。

 名嘉真さんは「自民党支持者の友人が、『安倍さんはいかん』と言っていました。安倍首相は信用できないという世論は覆しようがないと思います。だからこそ、私たちの取り組みが重要になっています」と言います。

主体性もって

 野党共闘のかけ橋の役割を果たした「市民連合みえ」は、昨年12月と今年1月、参院選の総括と次期衆院選に向けた取り組みについて、民進、共産両党との対話を行いました。そこでの議論から、次期衆院選挙に向けて県内4地域の「市民連合」(伊賀・名張、伊勢、鈴鹿、四日市の各市)の活動を強化してきました。「市民連合みえ」呼びかけ人の岡歩美さんは「何かに引っ張られるのではなく、民主主義が育つには、各地域で主体性をもって政治にかかわることが必要です」と言います。

 岡さんは、「(各政党から)野党共闘への疑問を聞いたことは一度もありません。衆院選も一緒にやっていくという大きな枠組みは共有しています」と語ります。

地域の要求 政策課題に

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(写真)「市民連合いせ」の設立集会=2016年12月3日、三重県伊勢市

 衆院選に向けて昨年12月から活動を始めた「市民連合いせ」。1月に、「安保関連法に反対するママの会」発起人の西郷南海子さんを講師に招いて講演会を開き、7月には森英樹名古屋大学名誉教授を講師に憲法学習会を催しています。「市民連合いせ」の事務局の栗田淳子さんは「平和の問題も、原発の問題も、今の日本は市民の願いがかなうシステムが全然できていない」と政治への不満を語ります。

担い手広げる

 「市民連合いせ」が取り組んでいるのは衆院小選挙区の三重4区(多気郡、伊勢市、鳥羽市から熊野市までを含む県南地区)の各地に運動の担い手を広げることです。

 「市民連合いせ」は、9条の会や原発反対運動に取り組む人々などを対象に、それぞれの地域で運動のリーダーを担ってもらえないかと呼びかけて回っています。「安倍政権打倒、政策協定の内容で一致できれば、組織や運動については、地域の実情・特色を生かした連携をめざします」(栗田さん)

 各地域での活動は、市民連合の政策課題の充実にも役立っています。参院選後、街頭での宣伝や野党国会議員との対話集会に取り組んできた「市民連合鈴鹿」の山本あけみさんは「地域から要求を掘り起こし政策課題に仕上げていくこと。場合によっては政策協定に反映させることも必要です」と言います。

 「市民連合みえ」の呼びかけ人で、参院選で三重県内を野党統一候補の応援で駆け巡り、地域ごとの「市民連合」の必要性を訴えていた岡歩美さんは次の衆院選について「安倍政権を倒す。安倍改憲阻止が最も大きな目標です」と決意を語ります。

連携こそ本筋

 野党勢力の一部から野党再編や小池百合子東京都知事との連携の動きがささやかれる中で、市民からは野党共闘の先行きへの不安の声もでています。これに対して岡さんは「もし野党の共闘に困難な状況があるならば、なおさら市民の動きが大事です。野党をつなげていけるのは市民だと思います」と呼びかけます。

 「市民連合みえ」の呼びかけ人の高山進三重大学名誉教授も「政界再編すればブームが起きるみたいな再編神話があります。政党として統一した政策が打ち出せないから再編に頼るというのでは話になりません。今の安倍政治との対立軸を明確に打ち出すことが先決です」と述べます。

 民進党の三谷哲央県連代表代行(県議)は「野党との連携、協力について、相当慎重に議論を積み重ねて、市民連合を介して連携、協力に踏み出しました。そのことについては大変良かったと思っています。昨年の参院選の中で、応援してくれる層が確実に広がりました。特に、若者層と女性層への広がりが顕著でした。その経験を踏まえれば、今後も『市民連合みえ』との協力を続けていくつもりです。今まで続けてきた連携、協力こそ本筋です」と言います。

 高山氏は「政治を変えていくポイントは選挙に勝てるかどうかです。勝ちを積み重ねていくことが大事です」と衆院選での野党統一候補の勝利を訴えます。(若林明)


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