2017年8月25日(金)
ワインセラーなぜ
加計・獣医学部設計図 市民団体が公表
建設費水増しの可能性を指摘
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安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市で獣医学部新設を計画している問題で24日、今治市の市民団体が同学園のものとされる獣医学部棟の設計図面を公表しました。これによると、業務用のワインセラー(ワイン専用冷蔵庫)や自動製氷機、ガス炊飯器などパーティーが準備できる設備を獣医学部棟内で計画しており、住民らが問題視しています。
公開されたのは、獣医学部棟の形態や間取りを示した計52枚の意匠図面。加計学園子会社の「SID創研」と東京都の設計会社が作成したとされており、日付は今年3月です。図面の入手経路について、「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表は同日の記者会見で、「建築関係者からの内部告発」と説明しました。
図面によると獣医学部棟は7階建て。問題になっているパーティー準備設備は7階にあります。「パントリー」(配膳室)として、ワインが70本収容できるワインセラーのほか、業務用のビールディスペンサー、冷蔵ショーケース、食器洗浄機などが記されています。
加計学園は獣医学部の建設費を192億円としています。今治市は愛媛県とあわせ半額の96億円を加計学園に建設補助金として出す計画です。教育や研究に直接関係のない設備にも補助金を出すことには住民から批判が出ています。
黒川氏は会見で複数の専門家らに図面を確認してもらった結果、建築費の1坪あたりの単価は70万〜100万円だろう、との返答を得たと紹介。加計学園が単価を約126万円としていることから、建設費を水増しして補助金を得ようとした可能性があると指摘しました。
図面ではまた5、6階に、ウイルスや細菌などの病原体を扱うバイオセーフティー施設を配置。近い将来に、エボラ出血熱など危険度が最も高い実験に取り組む可能性も指摘されています。黒川氏はこの施設について会見で「十分な機能を有していない可能性がある」と言及。これらの問題を解明するため、加計孝太郎理事長を国会に呼ぶべきだと述べました。
本紙は加計学園に図面が同学園のものかなど質問しましたが、24日午後5時までに返事はありませんでした。