2017年8月24日(木)
東大 パート5年雇い止め
労組 無期雇用へ転換要求
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東京大学教職員組合(東職)と首都圏大学非常勤講師組合は23日、厚生労働省で会見し、東大が労働契約法から逸脱した「東大ルール」をつくり、パート勤務の非正規教職員5300人に対し、5年上限で雇い止めにする制度をつくっていると告発しました。両労組は共同で団体交渉し東大に是正を求めています。
2013年に施行された改正労働契約法では、有期雇用であっても、5年を超えて継続すれば無期雇用に転換できる「無期転換ルール」が定められ、来年4月から無期転換がはじまります。
東大当局は13年、5300人のパート教職員に対して5年で契約をいったん中断し、6カ月の空白期間(クーリング期間)を設定し、再び契約する制度に変更。無期転換できないようにしていました。
組合側が入手した当局の職員向け説明資料には「無期転換ルールと東大ルールは、考え方が異なる」とあり、組合側は、暗に違法性を認めた内容だと指摘しています。
会見で、非常勤講師組合の松村比奈子委員長は「東大が労契法の趣旨に反する雇い止めを行えば、全国の非正規雇用労働者の無期転換の状況に深刻な影響を与える」と警鐘を鳴らしました。
東職の佐々木彈委員長(社会科学研究所教授)は「労働組合としての社会的責任をはたし、共同の力で無期転換を促進したい」と述べました。
東大当局は本紙取材に、「短時間勤務の有期雇用教職員は、再度雇用されることがあることから、採用にあたって、改正労働契約法において継続勤務として取り扱われる基準が6カ月であるという法令の趣旨を示したものに過ぎない」と回答しています。