2017年8月23日(水)
変形労働に法逸脱
残業代減額されたヤマト元運転手
厚労省に是正指導要請
ヤマト運輸の元宅配ドライバーが、同社の労働基準法に逸脱した変形労働時間制によって、残業代を値切られていると労働基準監督署に申告しています。22日、労働相談に乗っている神奈川県労働組合総連合(神奈川労連、全労連加盟)の代表とともに、日本共産党の小池晃参院議員事務所で、早急な調査と是正指導を求める厚生労働省要請をおこないました。
横浜市のヤマト鶴見中央センターなどで働いていた小村亮輔さん(35)は4月、鶴見労働基準監督署に申告しましたが、いまだに是正措置が取られていません。
変形労働時間制は、平均週40時間に収まれば1日8時間を超えても残業代を出さなくてもいい制度。1カ月単位など対象期間の勤務スケジュールを事前に決めておくなどの要件があります。
小村さんのいたヤマトの職場では、平均週40時間を超える勤務が最初から恒常的に割り当てられ、ひんぱんにスケジュール変更も行われ、労基法の要件を満たしていません。
「月に100時間以上の残業をしていた」という小村さん。会社から未払い(サービス)残業代を2年分250万円支払われましたが、変形労働が無効になればさらに50万円程度増えます。
厚労省労働基準局監督課の担当者は、「担当の監督官が法の趣旨に従って間違いのないよう検討していると思う」と答えました。
ヤマトの変形労働は無効だと2人が訴えた労働審判では、会社が解決金を支払っています(本紙3月24日付、4月4日付既報)。小村さんは、「残業代をちゃんと払うよう会社に申し入れたが『2人だけ特例だ』と拒否された。差別だと思い、神奈川労連に相談した」と話しました。